search
とじる
トップ > レジャー > ローカル回想記 杉浦厩舎に初タイトルをもたらしたパルブライト

ローカル回想記 杉浦厩舎に初タイトルをもたらしたパルブライト

 地方競馬から中央競馬に移籍、天下を取った馬はハイセイコー、オグリキャップ、イナリワンなどキラ星のごとくいる。
 パルブライトは、これらの馬には及ぶべくもないが、1997年の「第33回新潟記念」、98年の「第34回函館記念の2重賞」を制覇したのは立派だった。そして、今だから話せるサクセスストーリーを岡川助手(現厩務員)が話してくれた。
 まず97年、両睨(にら)みだった札幌記念をやめ、新潟記念に決まった理由は、「札幌記念でエアグルーヴと対決しても、勝ち目はなかったから」と実に単純明快だ。
 なるほど、そこで蟷螂(とうろう)の斧(?)を振りかざし札幌記念に向っていたら、開業2年目で重賞初制覇という記録には結びつかなかっただろう。その意味で、勇気ある方向転換だったといっていい。
 一方、98年の函館記念(1着)の時は、体を絞ることが大命題だった。「引っ掛かる馬だったから、小回りの函館コースでは(普段通りの調教をしても)なかなか絞れなかった」という。そこで、岡川助手は勝負に出た。
 「イチかバチか調教パターンを変えたわけ。汗取り毛布をつけて、連日、角馬場でビッシリ乗り込んだ。コースに入れたのはレースの週と、前日だけだった」と思い出し笑い。しかし、その結果、見事に前年(3着)のリベンジを果たしたのだった。
 「それにしても」と岡川さんは感に堪えない様子。パルブライトの第一印象は、「全然走る感じがしなかった(笑)」という。「背中(乗り味)も、格好もとくに良かったわけじゃない。血統だってマイナー。だから地方(大井競馬)でデビューしたわけだし」 
 それでは、中央で成功した要因は何か。岡川さんは、「負けん気の強い気性抜きには考えられない」と話した。
 ゆかりの杉浦厩舎には、パルブライトの“雑草魂”を受け継いだサインオブゴッド(2番仔 牡 4歳500万)と、サンアイブライト(3番仔 牝 3歳500万)が在厩。ファンとともに夢を紡いでいる。

関連記事


レジャー→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

レジャー→

もっと見る→

注目タグ