五郎丸の場合、大人1万6000円、小学生9000円と、有名歌手と比べると低い価格設定だが、例年、冬になると話題になるホテルでのディナーショー。日本で最初に始めたのは演歌の大御所・五木ひろしという。
「1978年、東京プリンスでやったのが最初です。ラスベガスでショーを見た五木が日本に取り入れようと考えついたそうです」(芸能ライター)
五木が日本にディナーショーを普及させたと言っても過言ではないわけだが、そのためかディナーショーのチケット代は五木より高くしてはいけないという暗黙の了解がある。
「今年のチケット代をみると、五木の5万1500円がトップ。2位が松田聖子の4万9500円、3位が谷村新司の4万6300円と続く。ただし過去には例外もあって、2013年の矢沢永吉、14年の松任谷由実、今年夏のYOSHIKIは五木超えの価格だった」(同)
近くで姿を見られ、テレビよりもくだけたトークが聞かれるだけに、ファンにとっては高額チケットも惜しくはないだろうが、人気歌手がこぞってディナーショーをやるのはなぜか。
「ずばり稼げるから。たとえば今年の松田聖子だと、ざっくりチケット代平均4万6000円、座席数平均500席として24公演。ひと冬で約5億5000万円の売上となり、本人には1億円超入るといわれる。しかもショー自体はディナータイムより短いのが普通で歌手にとっては効率がいい。ただ、過去のヒット曲が相当多くないと聖子レベルは無理ですが」(同)
高額ディナーショーは一流歌手の証でもあるのだ。