途中で雨が豪雨となり、国道を走る車もワイパーを全開にしても前が見えにくい状況であった。今回のケースは家にあるマップにも神社が記載されていないという不思議なこともあり、現地だと思われる場所まではかなり歩くことになった。
途中で雨も止んできたのが幸いしてか、小道の奥に隠れたような鳥居を発見した。何と、神社があった場所は住宅地の片隅で周囲には農家の廃屋があった。
鳥居に書かれている「白幡神社」の文字を見たとたん、背筋に寒いものを感じた。更に、誰も居ないのに足音がするのである。草を踏み分ける「ザッ・ザッ」という音が、近くまで聞こえたかと思うと、いきなり止んだ。はっと周囲を見回しても誰もいない。朝の、明るい時間に訪問しても霊は出るのかもしれない。
ここに来てまず受けた印象は、昼間でも空の光が届きにくい場所だということである。周囲は樹木が生い茂っており、神社内には「千葉市の保存樹林」という看板が置かれていた。
更に奥へ進んでいくと、倒れた石灯篭と、奥に狛犬が並んで不気味に鎮座していた。本来その奥には拝殿があるはずだが、何故か封鎖された物置のような建物があるだけだった。その近くには小さな祠があり、子安神社、道祖神と書かれた石碑が置かれていた。
これほどに強力な心霊スポットは初めてである。竹林が鬱蒼として生えているのも不気味さを増している。この神社では、人の足音や生首が空から降ってくるという噂があるが、今回は実際に不気味な足音に歓迎されてしまった。
なお、周囲には京葉道路が走り、事故の多発地帯でもある。それらの霊体がこの神社に寄ってきているのではないかとされている。
更に驚いたのは写真に写る幾つものオーブである。写真には他にも正体不明の水滴のような白いものと、細長い白い物体が写りこんでいたのである。
これほどに驚いた体験は久しぶりであった。神社を離れる際には、九字を切り、頭を下げてから退散した。
(藤原真 山口敏太郎事務所)