降板を決心したのは4月の中旬頃だといい、「最初は絶対出れると信じていました。僕の好きな言葉に『夢は叶う、思いが強ければ』というのがあるんですけど、思いが弱かったんでしょうね。ドラマの撮影をやっていても立っているのがやっとでした」と述べ、「役者が舞台を降りるっていうのは本当につらいことで。舞台を降りるって決めた時は本当に悔しい気分になりました。生きていることがこんなにつらいと思ったことはありません」と話し、その後は目に涙を浮かべて言葉を詰まらせた。
病状については「ここまで来てしまったんでこここからは本音のトークです」と切り出すと、「最初は(都内の)国立病院で腸の風邪だといわれていたんですけど、たまたま仕事で、関西の病院に行って、CTスキャンを撮ったら、大きい腫瘍が2つ3つあって、先生から『末期がんです』と言われました。『ステージ4です』と。ガンよりもっと怖かったのが、腸閉塞です。ガンで腸閉塞になって、大腸が塞がれちゃったんです。もうあと、1回2回食事をとったら腸が破裂するところでした」と説明。
余命3日とも、持ってクリスマスまでとも宣告されたというが、その後、横浜の病院で手術を受け、今日に至るといい、腫瘍については「全部(手術で)とりました。でも、他のところにまだあやしい影があるからって。このままだと転移する可能性が大だと言われまして、これじゃあ舞台どころか生命が危ないということで、いま、ここにいたります」と今井。
病院を転々とし、現在はとある病院に入院中で、ツークールめにさしかかった抗がん剤治療の副作用と戦う。「抗がん剤をやった人にしかわからない。船酔いしているところに42、3度のインフルエンザの熱がある感じ。ご飯出されても見ただけで嘔吐くこともありますし、一番苦しいのは食べれない眠れない、ここですね」とその苦しさも吐露。
これまでは大病を患った経験がなかったともいい、「病気なんて疑いもなかった。自分にはないと思っていた。だから全国のみなさん、騙されたと思ってペット(PET)を受けてください。費用は高いですけど、ペットだと確実にわかるので」とカメラを通じて定期的な検診の大切さも訴えた。
闘病を支えてくれているのは夫人で、「僕は本人なんでね。(彼女が)一番つらいんじゃないですか。冗談なんだけど、『はやく浮気できるくらい元気になってね』って僕が嗚咽している時に涙ながらに言っていて、(自分が)情けないなと思いました。代わってあげたいとも言われました」と切々とコメント。
闘病中最も喜びを感じる瞬間は「太陽の光を浴びているとき」だといい、「太陽の光を浴びることで生かしてもらえているんだなって。自分の運命は受け入れるつもり。ただあと半年はと神様にお願いはしている」と今井。最後は「全国のファンの皆様、本当にこんなことになってしまいましたけど、僕は精一杯この仕事を命がけでやっていきますので、どうか応援よろしくお願いいたします」とファンにメッセージを送っていた。
(取材・文:名鹿祥史)