阪神のオネルキ・ガルシア(29)の二軍降格が決定した。4月16日の東京ヤクルト戦に先発したが、2回途中で降板。被安打7、失点7というブザマなピッチングで、矢野燿大監督(50)も「良くなる兆しが見えないというか…」と、半ば呆れたような口調でこぼしていた。ガルシアは開幕から3試合に登板したが、勝ち星ナシだ。
このガルシアがノックアウトされた松山遠征に帯同した取材陣の一人がこう言う。
「2回目の先発、4月9日のDeNA戦後にガルシアの二軍降格の話が出ていたんです。『やっぱり』というのが、チーム関係者の感想です」
先発ローテーションの一角が早々に崩れたことへのショックはなさそうだが、矢野監督は別の見方をしていたのではないだろうか。外国人選手の補強について、獲得の基準を見直す必要があるのではないか、と…。
「野手では新加入のマルテが故障でチームから離脱しています。ガルシアが勝てないとなると、阪神は外国人選手を見る目がないと言われても、反論できないでしょう」(プロ野球解説者)
ガルシアには相当な期待が寄せられていた。もともとは中日が見つけてきた左腕だが、昨年オフの残留交渉で決裂。阪神は来日1年目で13勝を挙げた実績を評価し、好年俸で迎え入れたのだ。
来日1年目の昨季の年俸は推定5000万円。阪神は1億7000万円(同)を提示したという。
「メッセンジャー、ガルシア、FAで獲得した西勇輝。この先発3本柱は脅威です。キャンプ時点で、広島の緒方監督が『阪神要注意』を口にしていました」(スポーツ紙記者)
ガルシアが前年とは別人になってしまったわけだが、ガルシアの残留交渉にあたった中日の森繁和シニアディレクター(以下=SD)は、決裂後、こうも言い放っていた。
「ドームでしか勝てないくせに。ウチに勝てなかったら、どうするのか?」
昨季、ガルシアが先発した26試合について調べてみたが、20試合がドーム球場だった。屋外球場で先発した6試合では、1勝しか挙げていない。ドーム球場が定着した今日、一般論として、屋外球場は気温、天候、風の影響を受けやすいとされている。「屋外球場が苦手」なる話はあまり聞かないが、神経質な選手もいる。
「1年に1回試合があるかないかの地方球場に行くと、『逃げにくい』とこぼす投手もいますよ」(前出・プロ野球解説者)
前年、監督だった森SDはガルシアの神経質な一面を見抜き、先発登板させる球場を分けていたようだ。
今季から、在籍10年のメッセンジャーが外国人選手枠から外れることになった。打線低迷のチーム事情を考えると、マルテが復帰してもナバーロは一軍に置いておくべきだろう。クローザーのドリスは外せない。しかし、メッセンジャーが外国人選手枠の「4人」にカウントしないで済むので、5人目の助っ人を一軍登録できる。
ガルシアの今後によるが、新たな外国人投手の緊急獲得も検討しなければならないだろう。近年、阪神は外国人選手の不振に泣かされてきた。今年もシーズン途中での緊急補強となりそうだが、その評価基準を見直す必要がある。矢野監督は渉外担当スタッフに言いたいことが山ほどあるのではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)