皐月賞は川田騎手が手綱を取ったキャプテントゥーレが絶妙なペース配分で逃げ、まんまと1冠をもぎ取った。そのトゥレーが骨折し、戦線離脱。代わって新興勢力のアグネススターチが逃げ宣言をしているが、ほかでは何が何でもというタイプはいない。
となると、ダービーもスロー!?またまた前残り!?そう思われる方もさぞかし多いことだろう。だが、ちょっと待ってほしい。特捜班はある情報を入手した。スターチにケンカを売りそうな馬が浮上してきたのだ。これはある関係者から入ってきた耳寄り情報だが、いかんせんオフレコ話。ある地方出身のジョッキーが乗る馬ということだけヒントとして記しておこう。
ともあれ、スターチはタメ逃げでは持ち味の生きないタイプ。となると、どちらが主導権を握るにせよ、位置取りが落ち着くまでには時間がかかりそう。すなわち、流れが速くなるということ。ダービーレコードが飛び出した2004年は5F通過57秒6という“猛烈”なペースとなったが、今年はそれに近いデッドヒートが展開されるかもしれない。
そこで、本紙特捜班が本命に推したのがレインボーペガサスだ。
理由は単純明快。皐月賞の差し、追い込みタイプで最も高いパフォーマンスを披露したのが、4着に突っ込んだ当馬だからである。4角13番手から狭いインに突っ込み、前をさばくのにひと苦労。それでも、上がり3Fはメンバー最速の34秒3をマークしている。しかも、ダービーの前日は雨模様。皐月賞も前日、雨にたたられた馬場で行われただけに、より信頼度は増す。
一方で過去に手綱を取ったペリエ騎手の談話が、「ダートの方が走る」。そして主戦を務めている安藤勝騎手の見解が、「二四は長いかも…」。2人の名ジョッキーに後ろ向きな発言をされているペガサスだが、これまでもいい意味で陣営の期待を裏切ってきた。
「去年の北海道で乗り始めたころの感覚だと、フツーのダート馬かなと。こんなに走るとは思ってもみんかったわ」苦笑交じりにこう話すのは、鮫島厩舎の番頭格である寺井助手だ。
デビュー当初はクラシック出走など夢のまた夢だった。しかし、気づいてみればダービーの伏兵として世代の頂点を狙える位置まできた。
今回、最大の課題となるのは安藤勝騎手があげる「2Fの延長」だが、これはスタミナの心配というよりは折り合い面。前述の通り、ハイペースが予想されるだけに、自滅する危険性は少ない。さらに、最終追いではソラを使うなど、気持ちの面でも馬に遊びが出てきた。
また、騎乗する安藤勝騎手にとっても、このダービーは負けられない一戦となった。くしくもダービーの枠順が確定した昨29日、“故郷”の笠松競馬が賃貸借問題で一審敗訴。地元の関係者を勇気づけさせるためにも、心中期するものがあるだろう。舞台は思う存分、末脚を発揮できる東京。男・アンカツが決める!