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“二足のわらじ化”の質がさらに向上した2015年お笑い業界

 2015年、お笑い業界では様々な出来事があったが、今年の象徴的な傾向としては、お笑い芸人の“二足のわらじ化”の質がさらに向上したことだろう。

 もともと、お笑いの他に付加価値をつけるため、もう一つの何か得意な分野を身につける芸人は、昨今の傾向としてはよくある。しかし、今年は一味違った。

 その代表が、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹だろう。著書「火花」が「第153回 芥川賞」を受賞。お笑い芸人が同賞を受賞するのは、初めてとなり、快挙となった。さらに、「火花」は発行部数200万部を突破。芸能界のみならず文藝界にも明るい話題を提供し、新たなムーブメントを巻き起こした。一夜にして「芥川賞作家」「大先生」となった又吉。自身は、お笑い芸人としての活動があくまでもベースとしているが、周囲の対応も変化。又吉が帯を書いた単行本や小説が、売れに売れるという現象も起きた。

 次に注目すべき芸はオードリーの春日俊彰。又吉が“文系”ならば、春日はまさに“体育会系”で話題となった。「第23回 東京オープンボディビル選手権大会」の75kg級に出場し、見事5位に入賞。さらに、「第4回フィンスイミングジャパンマスターズ大会」では、3位に入賞。日本代表入りを逃したが、その後に繰り上げで日本代表に選出。6月にイタリアで開催された「フィンスイミングW杯」に出場し、個人戦の成績が振るわなかったが、団体戦では銀メダルを獲得した。

 そして、次にピックアップする芸人は、2015年に大ブレイクしたピン芸人の厚切りジェイソン。アメリカ合衆国出身の在日IT企業役員という肩書きを持ち、社業とお笑い芸人とを両立した活動を行っている。タレントでの収入のほか、会社での役員報酬、アメリカに所有しているマンションの家賃収入で生計を立て稼いでいる。日本のお笑い業界にとっては、異色の存在となり、その一風変わった経歴もブレイクした要因の一つだろう。

 キングコングの西野亮廣は、絵の分野で非常に才能を発揮。自身のインスタグラムでは絵画をアップし、大きな注目を浴びている。もともと、絵本制作などのアート活動を行っており、2013年にはニューヨークで初の海外絵画個展を開催。「TDW ART FAIR 2013」では「小山登美夫賞」「川崎健二賞」を受賞。また、西野は絵の制作費をクラウドファンディングで集めるというプロジェクトも実施。単に絵を描くということだけでなく、運営という側面からもアプローチしている。西野らしい、独自性のある展開だった。

 他にも、どきどきキャンプの佐藤満春はトイレを極めており、仕事がない日はトイレメーカーなどでボランティアとして手伝っている。ロバートの山本博は2014年にプロボクサーとしてデビュー。2015年にプロボクサーから引退したが、今度はボクシングのトレーナーライセンスを取得した。髭男爵のひぐち君は、合格難易度の高いワインエキスパート資格を取得。ワインの仕事の幅を広げている。また、ロバートの馬場裕之は、料理の分野で力を発揮。もともと、料理が得意な芸人は数多くいたが、馬場の料理テクニックやレシピは本屋テレビで公開され、反響を呼んでいる。

 「ただ単に好きであるとか、ちょっと得意程度ではもう話題にならない。相当レベルが求められる時代となっています。日本一を目指すか、世界に羽ばたくようなスキルを持つか、特に若手の芸人にとっては難しい時代になっていくでしょう」(お笑い担当記者)

 実際に、春日のフィンスイミング快挙を知って、ナインティナインの岡村隆史もラジオ番組で、「もう一個才能ないと生き残っていかれへん」と考えさせられるほど。来年は、どのようなスキルを持つ芸人が出現するのか、楽しみだ。

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