昨年12月17日、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は、娯楽目的のマリファナ使用を19年中に合法化すると発表している。合法化の意図は「税収増加」だ。合法化することによって、マリファナに惹かれる観光客が群れをなして集まり、金を落とし、それがニューヨーク州の貴重な観光資源にも税収にもつながるからだ。
すでに同じ意図で、ワシントン州、オレゴン州、ネバダ州、カリフォルニア州、コロラド州、バーモント州、メイン州、マサチューセッツ州、首都ワシントンが娯楽用のマリファナを解禁している。
「昨年1月に娯楽用マリファナを解禁したカリフォルニア州では、昨年の1月から6月までの半年間でライセンスを持つ業者の数は1272件から6421件へと大幅に増加し、マリファナやその関連商品を扱う店は今後も増加が見込まれているのです」(在米日本人ジャーナリスト)
そこに参戦するのが、高級百貨店チェーンとして知られる『バーニーズ・ニューヨーク』だ。バーニーズはロサンゼルス近郊のビバリーヒルズに店舗を構えているが、今年3月からその店舗の5階部分に「ハイエンドの大麻ライフスタイルコンセプトショップ」を開く予定と発表した。大手小売り業者がマリファナビジネスに参入するのは初めてのことだ。
マリファナは現在、米国で急速に自由化が進んでいるが、連邦政府としては合法と認めていない。そんな中、なぜバーニーズのような高級店がいち早く大麻ビジネスに乗り出すのか。そこには、やはり自由化への波とマリファナの持つ大きなビジネスチャンスがあるからだろう。
政府、製薬会社、飲料大手も参入に動いている。例えば『GWファーマシューティカルズ』、『クロノス・グループ』、『キャノピー・グロース』、『ティルレイ』、『アッヴィ』、『コカ・コーラ』、『コンステレーション・ブランズ』、『アルトリア・グループ』などだ。
日本では医療用大麻でさえ栽培できずに、医療界はその不足に喘いでいる。酒やタバコ、チョコレートよりも安心で安全で多幸感を得られる最高の植物だとして大麻保持を法的に規制することに反対する立場を明かした女優の高樹沙耶を“好奇の目”でしか見られない日本人には、実にハードルの高い話だ。