長らく謎の存在であったケサランパサランだが、現代になりケサランパサラン状のものを作り出す原因が数種わかってきてはいる。
動物性ではアミガサハゴロモという生物の幼虫が、このような綿を発する(しかしこれは下に幼虫が存在しているのでいわゆるケサランパサランではないとすぐ判別できる)。また植物性ではアザミの種がこのような形状を作り、風に乗って行けば見つけた人はケサランパサランだと認識するだろう(また、とても良く似た形状のものにタンポポの綿毛があるが、一目見ればタンポポとわかるので、ケサランパサランとは称さない)。
このように正体がほぼ判明しつつあるケサランパサランであるが、この度千葉県で「ケサランパサランが大量捕獲された」という衝撃的な情報が山口敏太郎事務所へ届いた。右の写真をご覧いただきたい。
これは2014年の秋、千葉県船橋市の某スーパー前にて、山口敏太郎事務所の関係者の女性が捕獲したものである。彼女によればスーパーの前で空からたくさん白い綿のようなものが降って来ていることに気付き慌ててかき集めることに成功。すぐに瓶に入れて保管したのだという。その数はおよそ20個強。未確認生物がここまで大量に発見されるなんて前代未聞の出来事だろう。
入手したケサランパサランは写真のように一つ一つは割と大きな印象を持つ白い放射状の綿で、古来から伝えられるケサランパサランの一種に非常に近い。
一体これらはどこから来たのだろう? 今回の物体はアザミの種でもなくタンポポの綿毛でもないようだ。また、ここまで大量に捕獲されたのにも関わらず捕まえた本人も幸せになったのかどうかよくわかっていない。
今回の物体は瓶に入れてしばらくたった現在でも、枯れたり色が変わったりすることがなく、手に入れた時の状態そのままである。以上の点を検証しても現在のところ「未確認物体」とするしかないようだ。
全ての「綿状の物体」が正体不明というわけではないが、今でもやはり存在している「正体がわからない」ケサランパサランは人々を魅了し続けている。
写真:山口敏太郎事務所に届けられた大量のケサランパサラン
文:水木ノア(山口敏太郎事務所)