『レッスルマニア』で敗れたシャーロット・フレアーに比べるとカーメラの方が実力的には劣る。「アスカ優位」との予想が多くを占めていた。試合に入ると、カーメラはアスカのサブミッションに空中戦で対抗。カーメラはチャンピオンになってからの自信と成長を見せつけるかのように、アスカを苦しめた。
アスカは形勢逆転したがその矢先、突然リングサイドに能面をしたもう1人の“アスカ”が登場。アスカ本人は動揺した様子。影武者のアスカは能面を取ると、その正体はジェームズ・エルズワースだった。アスカが動揺する隙をついてカーメラがスーパーキックをアスカに見舞って3カウントを奪い、カーメラが王座防衛に成功した。王座奪還に失敗したアスカと試合に介入したジェームズの間に因縁が生まれたのは確実だ。
MITBのメインはハシゴの上に吊された「いつでもどこでも王座に挑戦できる権利書」が入ったブリーフケースを奪い合う、マネー・イン・ザ・バンク・ラダー戦だ。今年はロウやスマックダウンといった所属の枠を超えて、男女それぞれでラダー戦が行われた。
男子はユニット「ニュー・デイ」からコフィ・キングストンが参戦。ブラウン・ストローマン、フィン・ベイラー、サモア・ジョー、ルセフ、ザ・ミズ、ケビン・オーエンズ、ボビー・ルードの8人で試合が始まった。圧倒的なパワーを誇るストローマンは他の7人から狙い打ちされ、集中砲火を浴びた。これが逆にストローマンに火をつける形になったようだ。怒ったストローマンはジョーとミズをパワースラムで排除すると、さらにラダーに上ってベイラーとキングストンを叩き落とし、ブリーフケースをゲットした。戦前の予想通り、「次期WWE王座」の呼び声が高いストローマンが挑戦権を獲得した。
女子は“女神”ことアレクサ・ブリスが勝利し挑戦権を獲得。その後、ロウ女子王者ナイア・ジャックスに“最強ルーキー”ロンダ・ラウジーが挑むタイトルマッチも行われた。ロンダが得意の腕十字を狙ったまさにそのとき、突然ブリスが現れブリーフケースでロンダを襲撃。ブリスはレフェリーにマネー権をキャッシュインし、挑戦する権利を行使した。そのままナイアをDDTで沈め、コーナートップからツイストブリスでカウント3。ブリスがロウ女子王座を奪取した。
昨年はMITBラダー戦を制したカーメラが4月に権利を行使し、シャーロットからスマックダウン女子王座を奪取している。ロウもMITBラダー戦の覇者が王者となった。消化不良となってしまったロンダの今後も気になるところである。
文・どら増田
写真提供 / ©2018 WWE, Inc. All Rights Reserved.