そて、その3・11は日曜日。NHKも民放各局もテレビは特別編成となった。人気番組や連続ドラマは、通常通り放送されたが、各局は朝から震災関連番組を流した。
もともと、報道に力を入れているテレビ朝日は、午前9時30分からの「報道ステーションSUNDAY SP」に始まり、午後11時30分までの「報道ステーションSP」まで、実に14時間ぶっ通しで震災関連番組を放送。
他局もテレビ朝日ほどではないにせよ、NHKは「大相撲春場所」(午後4時〜6時)、「NHKニュース7」拡大版(午後7時〜8時)、大河ドラマ「平清盛」(午後8時〜8時45分)などを除き、関連番組をオンエアー。
日本テレビは午後12時45分から報道特番で、「ザ!鉄腕!DASH!!」も「DASH村3・11特別編」(午後7時〜8時54分)の特別な内容で、午後9時から通常番組に戻った。
TBS、フジテレビも放送時間は他局ほどの長時間ではないにしろ、震災関連番組を随所で放送した。
そんななか、ひと際、異彩を放ったのがテレビ東京です。同局といえば、昨年3・11の東日本大震災以降、他局がしばらくの間、報道番組を延々続けたのに対し、いち早く通常編成に戻したのが印象的だった。
そのスタンスは1年後も同じ。報道特番は一切なし。唯一、震災に関連した番組となったのが、「会いたい人がいる!田舎に泊まろう!3・11スペシャル」(午後7時54分〜9時48分)。「田舎に泊まろう!」は03年4月から10年3月まで放送された同局の人気番組で、番組終了後は単発放送となり、今回は昨年9月以来、約半年ぶりのオンエアーとなった。
同番組はタレント、有名人が田舎に行って、アポなしで民家に泊めてもらおうという内容ですが、今回は萩本欽一らがかつて訪ねた被災地へ向かい、再会を果たすスペシャル版。同番組は旅バラエティですが、そのなかで震災関連番組をつくるという同局らしい形でした。
テレビ東京が震災を軽んじているわけでは決してないだろうが、3・11の番組編成にはこの問題に関して、各局のスタンスが如実に見える格好となりました。
(坂本太郎)