騎乗した蛯名騎手は「ケイコで1回乗り、走る馬だとは思っていた。ちょっと神経が敏感だけど、道中はすんなり流れに乗れたし、直線もスムーズに出てこれたからね。順調に育ってくれれば」と将来を嘱望する。
国枝師も「まだ伸びしろがある。今後は千八、二千以上で使っていきたい」と早くもクラシック路線を意識している。次走は未定だが、514kgの雄大な馬体の持ち主でもあり、前途は洋々だ。
同日の芝1400m戦は3番手追走から抜け出したシンワラヴ(父マイネルラヴ、母ビーマイプリンス=美浦・田村厩舎)が快勝。勝ち時計は1分23秒6(良)。
4頭がクビ、ハナ、クビでひしめく大混戦を制した。7番人気の低評価だったが、田村師は「育成場では古馬がかなわないほど調教で走っていた」と述懐。今後については「体が大きいし、もう少し絞れる。距離はもっと延ばしても大丈夫」と満面の笑みを浮かべていた。
3日(土)のダ1400m戦は、2番手から抜け出したケイアイスイジン(牡、父Johannesburg、母ポリーズフリート=美浦・尾形厩舎)が快勝した。勝ち時計は1分26秒5(良)。
「行く馬がいたので2番手に控えたが、砂を被っても大丈夫だった。気負って走るところはないし、追ってからもしっかり。センスがいいですね。最後に2着の馬に外からこられたら、また伸びてくれました」と吉田豊騎手。
一方の尾形師も「期待していた馬だから、勝ってくれてうれしい」と笑顔いっぱい。「上がり(3F36秒8)が速かったし、距離はもちそうだね。あとは芝をクリアしてくれるかだけど、ちょっと馬が硬いから、ダート向きかもしれない」と話していた。
同日の芝1600m戦は、単勝1.9倍の圧倒的な人気に推されたメイビリーヴ(牝、父サクラバクシンオー、母メディアウォーズ、美浦・松山康厩舎)が差し切った。勝ち時計は1分36秒6(良)。
「将来を見据えたレースを心掛けた」という柴田善騎手。道中は3番手だったが、「息を入れながら、自分をコントロールして上手に走っていた。追ってからの反応も良かったし、最後までいい感じで走ってくれた。大事にしたい馬」と最大級の賛辞を贈った。
松山康師も「ケイコの良さをそっくり競馬で出してくれた。こういう馬はなかなかいないんだ。まだ体にだいぶ余裕があったし、これからもっと良くなる。母系にマリーノが入っているから、距離が延びても問題ない。もう1回使って来年に備えたい」と、来春のクラシックへ手応え十分の口ぶりだった。