日本企業にとっては、電気、ガス、水道、電話、ネットなどの通信網などの基本的インフラ整備の拡充が当面の課題。
一方、日本人や外国企業で働くミャンマー人にとって、交通手段としての自動車も、必要不可欠な必需品になりつつある。このため中心都市ヤンゴンでは、中古車販売店で激しい販売競争が繰り広げられているという。
「'15年初めのミャンマーでの自動車保有台数は約60万台で、そのうち中古車は90%を占めている。'14年に販売された新車は約2000台なのですが、日本からの中古車は18万台(乗用車12万台、商用車6万台)となっていることからも、日本の中古車の人気が極めて高いことが分かります。しかし、これに便乗した違法販売業者が激増、社会問題となっているのです」(現地特派記者)
同国では、中古車を販売する正規のディーラーになるには銀行口座に10万米ドルなど一定額の預金が条件となり、認可を受けて営業、納税義務もある。ところが、売りに出せば飛ぶように売れる日本製中古車市場には、条件を満たさない“潜り”の不正ディーラーが跳梁跋扈しているのだ。
ヤンゴン市当局者によると、中古車ディーラーの約3分の1にあたる約50社が“得たいが知れない業者”だという。
「こうした東南アジアで活況をみせている中古車市場の需要に応えるためか、日本国内では“ヤード”と呼ばれる自動車解体作業所で盗難車を偽装して不法に輸出する闇ルートの存在も指摘されている。そのため警察庁では、ヤードの実態解明に乗り出しています」(全国紙社会部記者)
盗まれた愛車が、ミャンマーで乗り回されているかもしれない。