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球界花のニッパチ組がピンチ

 プロ野球界・花のニッパチ組が危機に直面している。チームの若返り指令を受けている中日・落合博満監督。一時の不振から立ち直っているものの宿敵の巨人追走に四苦八苦。就任1年目の阪神・真弓明信監督は早々と週刊誌紙上で途中休養を取りざたされる始末。首位争いを演じている日本ハム・梨田昌孝監督も、2年目の中田翔の扱いに苦慮。監督で現場復帰を熱望する巨人OBの中畑清氏にいたっては、巨人・原政権が長期化の様相で前途多難。28年会はとんでもないピンチに陥った。

 「オチ、真弓、ナシ、みんな昭和28年生まれの28年会のメンバーだから、頑張ってもらわないとなあ…」。ネット裏から熱烈エールを送る中畑氏だが、表情は冴えない。昭和28年7月12日生まれの阪神・真弓監督。8月4日の日本ハム・梨田監督。12月9日の中日・落合監督。中畑氏は早生まれで昭和29年の1月6日だから、同期生で28年会の世話役をやっている。
 その昔、角界では花のニッパチ組と呼ばれた北の湖(前相撲協会理事長)、若乃花(二代目)、麒麟児らが大活躍、一世を風ビしたが、球界の花のニッパチ組も今が働き盛りの年齢。12球団監督の4分の1を占める最大勢力なのに、全員揃ってパッとせず、ユニホームを脱がされる危機に直面している。
 今季から新たに3年契約した中日・落合監督は4番・ウッズ、エース・川上(現レッドソックス)、勝負強い打撃の中村紀(現楽天)の主力3人が退団しても強気一点張り。
 「周りは3人の穴をどうこう言うが、新しいチームを作るのだから、3人がいなくなったのはちょうどいい」と豪語していたが、首位・巨人を追うのに悪戦苦闘している。

 年俸7億円のウッズに代わる、年俸3000万円のブランコを4番打者に育成するのには成功したものの、3年ぶりのリーグ優勝、2年ぶりの日本一奪回という、公約の完全優勝実現は前途多難だ。
 「そもそも3年も契約延長という事自体がおかしい。落合を猫かわいがりする白井オーナーはどうかしている」と、アンチ落合の中日OBたちから一斉にブーイングが起きている。新たな3年契約の1年目とはいえ、このまま低迷が続き、原辰徳監督率いる巨人に惨敗するようなら、落合降ろしの動きが激化するのは避けられない。
 「WBCに中日の選手を1人も出さず、連覇した日本代表監督の原に赤っ恥をかかされ、その上、ペナントレースでもリーグ3連覇を許せば、責任問題が出て、落合の解任は当然だろう」。こう明言するOBまでいるから、無風ではすまされないだろう。
 就任1年目の阪神・真弓監督には早々と強烈な逆風が吹き付けている。「阪神はどうなってしまったんだ。真弓を早くクビにしろ」と猛虎ファンの怒りは沸点に達している。「真弓は誰にもいい顔をしたがる全方位外交。明確な方針がないから、失敗するだろう」とズバリ指摘していた阪神関係者の言う通りの展開になっている。
 期待を裏切った新外国人選手・メンチに対する処遇も煮え切らなかったし、緊急補強され孤軍奮闘している元西武のブラゼルにしても、「真弓はいらないと言った。取ったのは球団の判断だ。何を考えているのかわからない」と、球団関係者からも批判の声が噴出している。
 監督交代しても最下位を独走する横浜と並び、ペナントレースからの落ちこぼれのままでいれば、真弓監督の途中休養を求めるファンの声は高まるばかりだろう。
 ソフトバンク、西武と首位争いをしている日本ハム・梨田監督は一見、安泰のようだが、実はそうではない。2年目の期待の逸材・中田をもてあましているからだ。「中田のことは聞かないように」と報道陣に取材自粛を要求するなど、神経をとがらせている。イースタンリーグでは本塁打、打点の二冠王も、一軍ではもう一つの状態。ペナントレースに集中したいのに、中田の起用法で余計な神経を使いたくないというのが梨田監督の本音だ。
 というのも、「梨田は優勝しなければ、来季続投は分からないだろう。球団側の評価はそれほど高くない。後任に日本ハムOBの片岡篤史の名前があがっている」(球界OB)という事情があるからだ。
 28年会の現役監督3人が苦戦を強いられる一方で、「一度は監督をやってみたい」という中畑氏も、巨人・原政権が長期化しそうな様相で、なかなかチャンスが巡ってこない。福島生まれの東北人を売りの一つにするだけに、今季限りで勇退路線を敷かれている野村克也監督の後任として、仙台を本拠地とする楽天に売り込みをかけるしかないのが実情だ。危機に立たされる28年会。誰が生き残れるか。

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