「前走後はいつも通り、宇治田原優駿ステーブルへと短期放牧に出した。向こうではしっかりカイバを食べてくれるので馬体もふっくらして戻ってきた。気持ちの面でもだいぶリラックスできたんじゃないかな」
担当の藤原助手はリフレッシュ効果を指摘する。7日に栗東へ帰厩してからも順調に坂路で乗り込まれてきた。1週前追い切りでは800m51秒2の好時計をマーク、本番に向けて態勢は整いつつある。
「息遣いは多少、苦しそうだったけど、このひと追いで変わってくると思う。本番まであと1週あるけど、いい状態で出走できそうだね」
手綱を握った浅見助手は上々の感触を伝えた。
前走の桜花賞は12番人気での低評価を跳ね返しての戴冠だった。今回は桜の女王として、堂々と樫の舞台へ立つ。
「今回は4Fの距離延長、府中へと舞台はかわるけど、折り合いがつく馬だし、環境の変化にも対応できる。オークスでも桜花賞同様、いい勝負根性を発揮してくれると思う」
桜花賞馬にだけ与えられる2冠のチャンス。波乱のヒロインがセカンドステージでも再び主役の座をつかむ。