G1では準優勝に終わったものの、準決勝でチャンピオン棚橋弘至の右目を破壊して王座返上に追い込んだことから、期せずしてベルト奪取の機会を得た中邑。いわば棚橋を葬り“棚ボタ”で舞い込んできた王座決定戦について口を開いた。
「ゴタゴタした中で自分でチャンスをつかんだ。全然レディ(準備OK)じゃないけど、それがモノにできるようにする」。中邑からしてみれば、自らの手でライバル棚橋の“目”をつみ、切り開いた絶好機でもあるのだ。
冷酷なまなざしで至宝獲りをうかがっているが、この一戦が持つ意味はただのベルト獲りのチャンスだけではない。G1決勝戦で敗れた因縁の真壁とのリマッチ。当然ながら雪辱を果たすために期するものがある。
G1では戦慄の「ボマイェ」を武器に予選リーグから負けなしの7連勝で決勝まで勝ち上がったが、最後で真壁にそのボマイェをブロックされて仕留めきれず。逆に3カウントを許す不覚をとっただけに、いまだ「あのとき顔面を打ち抜いておけば…」と後悔の念がある。
それだけに「次はそうはいかない」。今度こそボマイェで真壁を破壊し、選ばれし求道者は“真時代”を創造するつもりでいる。