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サミット目前首都厳戒 合言葉は「トイレ洗浄剤を購入したらパクれ!」

 北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議、7〜9日)が目前に迫る中、首都・東京は厳重すぎるほどの警戒警備態勢が敷かれている。首都圏に潜伏中の外国人テロリスト予備軍をマークする警備当局筋では「トイレ洗浄剤を購入したらパクれ!」が合言葉のひとつになっているという。

 「サミットを妨害するテロが計画されているとすれば、東京で仕掛けてくる確率が高い。テロを企てている可能性のある要注意人物は当局が24時間マークしている。たとえば対象者が、薬局などで某トイレ洗浄剤を購入したら、即パクれという指令さえ出ている。そのくらいの厳戒態勢だ」(公安関係者)
 トイレ洗浄剤を購入しただけで逮捕!?これはあくまで警戒対象者に限った話であり、一般人が薬局やスーパーでトイレ洗浄剤を買うたび、レジで身柄拘束されるわけではない。購入即逮捕というのも言葉の勢いだろうが、それにしても、なぜトイレ洗浄剤がアウトなのか。
 裏社会に詳しい事情通は「塩酸系のトイレ洗浄剤には必ず『まぜるな危険!』の注意表記がある。あるモノをまぜれば有毒ガスが発生する危険性があるほか、別のやり方では爆薬をつくることもできるといわれている」と説明する。ある程度の化学知識があれば悪用できるというから恐ろしい。
 まさか紙面で紹介するわけにはいかないが、取り扱いに注意が必要なことは間違いない。前出の公安関係者によると、トイレ洗浄剤のほかにも対象者による購入をマークしている薬品系市販商品があるという。水面下では薬局サイドに協力を呼び掛けているとの情報もあり、サミットなんて遠い北海道の話だと思っていたら、なにやら物騒な雲行きになってきた。
 いまや都内は超のつくテロ厳戒態勢下にある。警視庁は「東京が主戦場」と位置付け、JR、私鉄、地下鉄各駅に警察官を配備して警戒を強めているほか、銀座や秋葉原などの繁華街や各国大使館近辺など主要ポイントを重点的にパトロール中。鉄道各社もまた、爆発物などを仕掛けられるおそれのあるゴミ箱を撤去するなど緊迫感が高まっている。
 前出の公安関係者は「サミットは洞爺湖で開かれるが、テロは北海道でやる必要はない。首都でテロを起こして大騒ぎになれば、それはそれで注目され、テロリストの目的は達せられるからだ」と話す。
 実際に、2005年の英グレンイーグルズ・サミットでは、開催地から遠く離れた首都ロンドンを標的に同時多発テロが起きた。狙われたのは地下鉄とバス。死者55人を数え数百人が負傷する大惨事となった。
 「当局は少なくとも十数人を徹底マークしている。事前に入国していたり、国内居住者を協力者にしてテロを起こす可能性のある外国人だ。爆破テロや毒ガステロを想定している」(公安関係者)
 なんとしてもテロを未然に防ぎたいということなのだろう。監視活動には通常チームを組んであたるのがセオリーで、24時間マークするには交代要員も必要になってくる。いわば総力戦で外国人テロリスト予備軍を徹底マークするなか、先に述べたトイレ洗浄剤購入にまで神経をとがらせているわけだ。
 6月29日には、都内でサミット開催に反対する反グローバリズム勢力や過激派らがデモ行進をして機動隊と衝突、暴力行為に及んだ8人が逮捕されたばかり。昨年の独ハイリゲンダム・サミットでも反グローバリズム勢力が暴れる騒動があったため、より警戒を強めざるを得ないのだろう。
 一般市民には、全く関係のない善良な市民が巻き添えになった秋葉原無差別殺傷事件のショックが生々しく残っている。日常生活を送るうえで都内の厳重警戒にげんなりさせられることもあるだろうが、いまは無事にサミットが終わることを祈るばかりである。

○都庁厳戒
 首都を象徴する東京都庁(新宿区)では、建物の入り口などに「サミットに備えテロ警戒強化中」と書いた張り紙をデカデカと掲げ、警備員を増やすなどテロ対策にぬかりがない。
 JR新宿駅から都庁に向かう西口地下通路は、2人組の警官が数十メートル間隔で行ったり来たり。それでなくとも、新宿駅頭には大勢の警察官が配備され、各改札口では複数の警察官が不審者に目を光らせている。踏み台に乗った警官が一段高い目線から警戒しているため、悪いことをしていなくても軽いプレッシャーを感じるほどだ。
 都内では、主要ターミナル駅に立つ警察官が日に日に増えている印象がある。警視庁は警戒レベルを最高水準に引き上げており、9日のサミット閉幕まで最大で1日2万1000人を動員する予定。不審者への職務質問や、幹線道路での検問も実施している。
 一方、開催地の北海道洞爺湖周辺では、北海道警を軸に超厳戒シフトで警戒を強めている。警察官を大量動員しているほか、付近をめまぐるしくパトカーが巡回中。1日には福岡県警のダイバーが湖に潜って、不審物がないかチェックした。

○反グローバリズム勢力とは
 地球規模でのさまざまな活動に反対する一派。先進国主導で“地球のため”として推進されることは、先進国には都合がよくても、発展途上国などにとっては格差拡大などマイナス面が大きいと考える。市場独占を警戒して、世界各国に拠点を持つ多国籍企業を嫌う側面もある。1990年代から国際会議などでデモ・抗議活動を活発化させている。主張が微妙に異なる諸派に分かれ、当局は「反グロ」と呼んで警戒を強めている。

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