勝利をエスコートした田中勝騎手がまたがったのは昨年のクイーンS8着以来3度目。「持ち味の末脚を引き出そうと、直線勝負に徹した」。腹をくくって臨んだイチかバチかの作戦がズバリ的中した。
4角は、まだ後方から2番手。この絶望的な位置取りから上がり3F33秒7とメンバー最速の差し脚をさく裂。後続を2馬身突き放したのだから驚きだ。「いやぁ、すごい脚でしたね。イメージ通りの競馬ができたけど、これほどの脚を使うとはね」。ジョッキーは全身で喜びを爆発させた。
もともと、昨年の秋華賞2着馬。GI級のポテンシャルがありながら、勝ち運に恵まれなかったが、充実の4歳秋を迎え、「体がしっかりして実が入った」と成長の跡を指摘した。
合わせて、「これを機に、さらにステップアップしてほしい」とエ女王杯をしっかり見据えていた。