さるすべりの花の香りを風が運んできました。秋はもう間近ですね。その秋競馬に向け、重要なポジションを占めるのが「札幌記念」です。1997年の優勝馬エアグルーヴは札幌記念をステップに天皇賞・秋を制し、当年の年度代表馬に。4年前のヘヴンリーロマンスも同じく天皇賞・秋でゼンノロブロイ以下を完封。まさに劇的でした。札幌記念は秋競馬に活躍する馬の玉手箱でしょうか。
今年は大変な馬が出てきました。3歳牝馬で桜花賞、オークスを神業的な末脚で連覇。ブエナビスタの登場です。最大目標は凱旋門賞。あのディープインパクトも夢かなわなかった世界最高峰のレースに、3歳牝馬が果敢に挑戦するさまは、我が競馬ファンの胸を熱くするものがあります。
とはいえ、札幌記念に話を戻すと過去10年、3歳牝馬は、優勝はもとより、2、3着もないのです。オークスのようなレースでは、牡馬の古馬陣相手に差し切れるかどうか微妙。
そこで、シャドウゲイトの先行力を買いました。まずドリームサンデーが函館記念で追い込んで5着に健闘。今回は末脚を温存作戦に出てくることも考えられます。ということは、先行するシャドウゲイトにとっては、単騎逃げが打てる絶好のチャンスなのです。
3走前の大阪杯でドリームジャーニー、ディープスカイ、カワカミプリンセスを相手に6着。同じ休養明けだったマツリダゴッホに先着。さらに金鯱賞では3番手で折り合って、宝塚記念で2着だったサクラメガワンダーの2着と自己ベストで快走。前走の七夕賞も見せ場たっぷりでした。福島の15番枠で終始外々を回り、4角では優勝したミヤビランベリに外へ弾き飛ばされるような不利。それでも0秒3差。充実の証しです。
しかも、札幌はこの中間の降雨で時計を要する馬場。無論、パワーを要求される洋芝は大歓迎。函館入りし今週は抜群の調教。まさにこん身の仕上げ。大いに楽しみです。