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キャンプ中間報告(2)「千葉ロッテ」 トレード獲得選手・高口、山本が渋い仕事を

 西岡剛の抜けた新・遊撃手は誰になるのか。2010年首位打者で206本の安打を放った1番バッターの後釜は誰に決まるのか…。

 22日の紅白戦で「遊撃手・荻野貴司」が右ヒザの故障を感じさせないダイビングキャッチの好プレーを見せてくれたのは既報通り。アマチュア時代、スローイングに難があるため、内野手から外野にコンバートされた経緯も有名である。22日の好プレーを聞く限りでは「何とかなりそう」だが、キャンプ序盤の守備練習を見たときは、送球のコントロールが定まっていなかった。日々、送球技術は高まっていると思うが、西村徳文監督もある程度の失策は覚悟しているのではないだろうか。

 そんな荻野とは対照的に「守備」で輝いていたのは、日本ハムから獲得した高口隆行(27)である。遊撃手のポジションから一塁へストライク送球を連続させており、併殺プレーでの送球の速さからして、肩も強そうな印象を受けた。プロ6年目を新天地で迎えたこの高口だが、日本ハム時代から「内野なら何処でも守れる」ユーティリティー・プレーヤーとして認知されていたが、昨季はむしろ、「打撃」の印象が強かった。84試合に出場し、打率は1割7分4厘だが、長打率は3割4厘で、「本塁打2、二塁打3、犠牲フライ5」。得点圏に走者を置いた場面では「脅威を感じさせるパワーヒッター」だった。いきなり、規定打席に到達して高打率を残すとは言わないまでも、今季、ブレークのきっかけを掴みそうである。
 西岡の抜けた『打』の部分だが、1番バッタータイプの清田、荻野、伊志嶺、岡田は単独スチールもできる。首位打者を獲るようなハイアベレージは無理でも、これだけ走れる選手を揃うと、シングルヒット2本で1点を挙げるような機動力野球も期待できそうだ。
 しかし、キャンプ後半のこの時点で、「大丈夫かよ!?」と突っ込みたくなるのが、小林宏之の抜けた穴が全く埋まっていないこと…。新クローザー候補は、昨秋の鴨川キャンプで入団テストに合格したボブ・マクローリー(28=オリオールズ2A)と、内竜也(25)が争うと聞いていたが、ともに調整が遅れている。マクローリーは右肩の張りと風邪(本人談)。内は昨年末の受けた『骨棘(こっきょく)除去手術』の影響で周囲が無理をさせないようにしているというが…。マクローリーは心配だ。7日のフリー打撃、18日のブルペン投球を見た限りでは、「報道されている以上にコントロールが悪い」と思った。最速161キロとも伝えられていたが、証券マンのような知的な表情を窺うと、「同じ制球難でも、コワオモテな分、アオバラデホ(巨人)の方が…」とも思えてしまう。おそらく、昨季65試合に投げた伊藤義弘、経験豊富な薮田安彦、古谷拓哉(昨季58試合に登板)が状況に応じながら、クローザーを務めるものと思われる。また、それだけの力を持ったリリーバーたちでもある。

 キャンプイン直前にトレード獲得した光原逸裕、新人の小林敦(25=七十七銀行)は先発とリリーフの両方をこなせる。同じく、前述の高口とともに日本ハムからやってきた左腕・山本一徳(27)も計算に入っているのではないだろうか。山本は球速、変化球に大きな特徴があるわけではないが、短いイニングだと『頼りになる男』だ。ファーム戦で何回か観たことがあるが、ワンポイントなら三振を狙いに行って奪える投手だった。
 新人の南昌輝(22)は先発ローテーション入りを狙う。南の『球質の重さ』は評判通りだった。私見だが、内が復調するまで、この南にリリーフをやらせても面白いのではないだろうか。球速では巨人・澤村の方が上だが、182センチの長身から繰り出すストレートには『角度』もある。短いイニングなら、ソフトバンクや日本ハムのような強力打線でも手を焼くはずである。
 起用次第では、ワンポイントの雄・山本も大きな戦力になるだろう。南の重く、角度のあるストレートは武器になる。日本ハムからやってきた高口、山本が“渋い仕事”をしてくれそうだ。(スポーツライター・飯山満)

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