ファンクラブの会員はもちろん、今なお関係者でさえチケットが入手困難であるコンサート。演出家・松本潤による手腕も大きい。
振り返れば、松本がライブ演出を手掛けるのは、まだジャニーズJr.だったころから。同じくJr.だった兄貴的な存在のタッキー&翼・滝沢秀明の任を継承したことが、スタートだった。
その後、嵐を結成。06年、初の台湾公演では、図面を引く段階から関わり、会場の広さに応じた移動距離の秒単位の音出し、衣装決め、音リハーサルまでを全力でこなした。セットリストは当然のことながら、ファンの振り付けも演出の一部ととらえるために、事前に完コピできるための映像を流す案を出した。また、動く巨大舞台・ムービングステージを考案した。これは今では、ジャニーズライブの代名詞となっている。また、尊敬するマイケル・ジャクソンのムーンウォークを、逆さ吊りになって天井を歩く「MJウォーク」も考えた。
高い評価を得たいっぽうでは、松本のソロソングだけが長尺、MCカット、編集が細切れなどといった不満の声が、アラシック(嵐の熱狂ファン)から上がっているのも事実。平等はかなり難しいということか!?
しかし、ももいろクローバーZが女性アイドルグループとして史上初の国立競技場公演(14年3月15&16日)を実現させた際、オープニングでジェットコースターに乗車して登場するという案は、松本のもの。さらに、今月2日に放映された『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)で実現した嵐×ももクロの初コラボで、松本はたった1回のカメラリハーサルで動きを把握。相手を務めた高城れにに、「最後のところで目を合わせよう」と声をかけていたという。
今年も途絶えることがなかった嵐。松本の脳内が現役のうちは、来年のアリーナツアーも盤石のまま終えられるに違いない。