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ハアさんの厩界舞台裏 京都大賞典 ジャガーメイル 重賞初制覇へ背水

 京都のメーンは秋のGI戦線を占う「第44回京都大賞典」(GII、芝2400メートル、11日)。好メンバーがそろったが、なかでも注目は関東から参戦するジャガーメイルだ。陣営の使命は初タイトル奪取。目標のジャパンCに向けて、モチベーションはどの馬よりも高い。休養中に体質が強化され、春とは別馬のごとくたくましさを増しており、悲願達成に視界は良好だ。

 未完の大器ジャガーメイルを担当する渡邊雅典調教厩務員は、この10月でキャリア6年目を迎えた若手のホープ。調教助手から職変、前任者からバトンを受けたのがジャガーメイルだった。調教厩務員になるのは、以前からの希望だった。
 「1頭の馬に携われるという点で、助手時代より一層、仕事にやりがいがありますね」
 担当が決まって、あれよあれよという間に特別3連勝を達成。盆と正月が一緒にきたような喜びを味わった。オクトーバーSでは、ジャパンCを優勝するスクリーンヒーローを撃破するなど、3連勝の中身も濃い。
 この馬の長所は? と聞いてみたところ、外見では良さは分からないという。「歩様が良くないからね。でも、またがってみると、全然違う。全身バネの塊ですよ」と、笑顔で話す渡邊さん。

 “馬には乗ってみよ、人には添うてみよ”とはまさにこのことである。
 重賞初挑戦は、昨年のAR共和国杯。結果はスクリーンヒーローの2着だった。これを皮切りに、香港ヴァーズ→天皇賞・春→目黒記念に駒を進めるが、(3)(5)(2)着とことごとく重賞獲りに失敗する。
 「目標はジャパンC。その前に、ぜひタイトルを取りたいんです」。渡邊さんはそういって、不退転の決意を示した。
 ここは目黒記念以来、約4カ月半のブランクを抱えているが、仕上げに抜かりはない。7日の最終追い切りは、5F70秒9と平凡なタイムだったが、「2週続けて速いところをやって、態勢は整っています。これでも速いぐらいですよ」と太鼓判を押した。
 休み明けの成績は、天皇賞を除けば2戦2勝。鉄砲実績もある。また、2400メートルはここまで、<3010>と抜群の実績を誇る。唯一3着も、GI・香港ヴァーズだから、距離適性は群を抜く。
 「相手ですか? 全馬怖いですよ。でも、チャンスは十分あります。応援してください」と笑顔で結んだ。

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