交流戦も含めた月別成績は3、4月が「.262、2本、4打点、28安打」、5月が「.242、1本、8打点、15安打」、そして6月(交流戦終了時点)が「.200、5本、8打点、15安打」。本来の持ち味である確実性は、開幕から現在に至るまで見られていないのが現状だ。
トンネルを抜け出せない右打者について、チームの首脳陣は7月以降もしばらくは様子を見る意向であると伝えられている。ただ、ここ最近のシーズンを考えると、思惑通りに事が進むかは全くの不透明と言わざるを得ない。
昨年の7月は22試合に出場し、「.306、3本塁打、13打点、22安打」と出色の成績をマークした内川。しかし、翌8月は一転、10試合で「.195、0本、1打点、8安打」と低迷。さらに疲労性の体調不良に見舞われたことにより、残りのレギュラーシーズンを離脱する羽目にもなった。
一昨年の7月はオールスターでMVPを獲得する一方、ペナントレースでは12試合で「.156、1本、5打点、7安打」と打率が2割にも届かぬ大不振。加えて、オールスター後に骨折を負ったことにより9月の終盤まで欠場を強いられている。
柳田悠岐、中村晃、今宮健太といった主力を欠くチームは、交流戦防御率が「3.16」(全体1位)だった一方で打率は「.233」(同11位)。依然として“投高打低”が続く中、スタメンの1枠を不振の内川に使うのはお世辞にも得策とは言えない。また、結果を出せない選手を固定するとどのようなリスクを生むかは、開幕から田中広輔(.188、3本、23打点、49安打)をスタメン起用し続けた今シーズンの広島を見ても分かる通りだ。
首位打者を2回(2008、11年)、3割を8回(2008〜14年、16年)記録したのも今や昔。ただ待っているだけでは、かつての輝きはなかなか戻ってはこないだろう。
文 / 柴田雅人