「今回も天気次第ですね。それが一番デカいかな」と徳江助手は苦笑いを浮かべた。
悔しそうに振り返ったのは前走の宝塚記念だ。デキは絶好。史上最高といわれた豪華メンバーでも好勝負になると送り出したが、当日はあいにくの雨。苦手の道悪を前に、最後方から無抵抗のまま13着に沈んだ。
「そんなに走っていない。ノリ(横山典)さんが明日にでも競馬に使えるぐらいといったほどですから」
その後は目標をすぐ切り替えた。昨年に続くサマー2000シリーズの連覇だ。宝塚記念の後はいつものように栗東近郊のグリーンウッドへ放牧に。リフレッシュして、19日、栗東に帰厩した。
「向こうでも緩めずに乗ってきました。順調にきています。意外と夏場は強いんですよ」と徳江助手はうなずいた。
昨年の小倉記念は実に渋く、強かった。道中は後方待機。4角から内に狙いを定めて狭いところを一気に突き抜けた。切れ味に加え、うまさも見せた。
「ハンデは軽かったけど、勝ちっぷり自体が半端じゃなかったでしょう」今年はハンデ58kgを背負わされるが、「同じ58kgだった秋の天皇賞が2着。そのぐらいは背負いなれているから大丈夫じゃないですか」と意に介していない。
そして、当日は力強い援軍が駆けつけそうだ。サマーシリーズは北海道を主戦場にしている横山典が急きょ、小倉に参戦するというのだ。
「ノリさんが小倉に来るというぐらいだから、よっぽど手応えがあるんでしょうね。確かに、宝塚記念がパンパンの良馬場だったらどこまでやれたか、見てみたかったというのもある。距離もこれぐらいが一番いいし、このメンバーならと思います」
昨年はこのレースを勝ち、新潟記念4着でサマー2000の王者争いに競り勝った。パワーアップした今年はそれ以上の圧勝で、王座防衛を目指す。