竹村は当初、その携帯電話について、「パチンコ屋でひろった」「殺人事件の被害者の物とは知らなかった」などと供述していた。
しかし、竹村が所有するワゴン車らしいクルマが犯行現場近くで目撃されていたことや、竹村の自宅から被害者のものとみられる所持品が複数見つかったこと、さらに凶器と思われる包丁が発見されたことなどから、ついに竹村は「3人の女性を襲って殺害し、金品を奪って逃げた」と犯行を認めた。
竹村は妻と幼い子供2人の4人家族で、犯行当時は県内の運送会社に勤めており、勤務態度はまじめだったという。
しかしその一方で、出会い系サイトを使って遊んだり、派手にギャンブルにつぎ込んだりするなど、カネづかいが荒いことから、消費者金融などに500万円以上の借金があった。
こうしたことから、犯行は強盗目的と思われていた。竹村自身も警察の取り調べに対して、「借金の返済のため、カネを奪う目的で女性を襲った」などと供述していた。
しかし、「カネ目当て」と言いながら、襲って殺害した3人のうち、2人は若い女性で、残る1人もごく普通のパート従業員の女性である。傍から見ても、とても大金を持っているとは考えられない。また、たとえ生活費や遊ぶカネ欲しさだったとしても、帰宅途中や通勤前の若い女性が所持している現金などたかが知れていることは、常識のある大人ならすぐにわかるはずである。
さらに、竹村は「仕事の合間などに、クルマで若い一人歩きの女性を物色した」などと供述。62歳のパート従業員の女性を殺害した際は、「暗くてわからなかった」などと言っている。
カネを奪う目的なら、高齢者のほうがより狙われる可能性が高い。体力も無く、比較的大金を持っているケースがしばしばあるからだ。だが竹村は、「ひとり歩きの若い女性」に執着していた。
さらに、金品が目当てならば、脅してバッグなどを奪えば事が足りる。しかし、人目につかない公園に被害者を引きずりこんで、乱暴した上に殺害している。
「カネ目当て」という竹村の言い分は、明らかに不自然だった。(つづく)