堀内氏はブログの冒頭、今シーズン67試合に登板するなど活躍した巨人・中川皓太について、「彼は(投球時に)腕を少し下ろして投げるようにしたのが合っていた」と飛躍の要因を推測。
続けて、腕を下げることは「ピッチャーにとったら死活問題」とリスクも大きいとした上で、「腕を下げて成功したピッチャーと言えば 斎藤雅樹の名前が浮かぶと思う」と中川と同じやり方で成功を収めた斎藤氏の名前を挙げた。
1982年ドラフトで1位指名を受け入団した斎藤氏は、そこから引退までにプロ野球タイ記録となる3度の沢村賞を始め、数々のタイトルを獲得したエース級の投手。プロ1年目に当時の監督である藤田元司氏(故人)の助言で腕を下げたフォーム、いわゆるサイドスローに転向したことが飛躍のきっかけになったことは広く知られている。
ただ、堀内氏によると、藤田氏は斎藤氏以外の投手にも同様の方法を勧めていた上、「成功した斎藤の影(原文ママ)で何人のピッチャーが失敗して消えていったか」と効果が出ずに消えていった投手も多かったとのこと。そのため、当時兼任コーチだった堀内氏は、斎藤氏に「本当に下げて投げる(の)か」と問いただしたという。
この理由について、堀内氏は「俺はね、内心気が気じゃなかったんだ」と斎藤氏の決断を本気で心配していたことを告白。また、「斎藤だったら守備もいいしバッティングのセンスもあったから 例え、腕を下げて失敗しても野手として生きていけるかもしれない。そんなことも考えたりしたよ」と、失敗した後のことまで考えていたことも明かした。
当時の経験を元に、「誰に何を言われようが 自分の感覚を大事にしてほしい」と綴った堀内氏。最後は「やって合わないと思ったら やめる勇気 引き返す勇気も必要だよ」という言葉でブログを締めくくった。
今回のブログを受けたネット上のファンからは、「なんで急にサイドスローや斎藤氏について取り上げたんだろう」、「安直なサイド転向は危ないっていう首脳陣への批判かもしれない」、「最後の方はなんか意味深な内容だな、もしや鍬原に二の舞になるなって警告してるのか?」といった反応が寄せられている。
複数メディアの報道によると、原辰徳監督を始めとした巨人首脳陣は、秋季キャンプ中に2017年のドラ1投手・鍬原拓也をサイドスローに転向させたとのこと。もしかしたら今回のブログは、この一件に影響を受けて綴られた可能性もあるのかもしれない。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
堀内恒夫氏の公式ブログより
https://ameblo.jp/horiuchi18/