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テレビ不況が浮き彫りになった日本テレビの『eスポーツ』参入

 日本テレビが、民放キー局の中で初となる『eスポーツ事業』参入を表明。対戦型テレビゲームをスポーツとするこの競技のメンバーを広く世間から公募し、プロチーム『AXIZ(アクシズ)』を結成するという。なんと、局内ではポスト巨人軍との位置付けで注目される事業だという。
 「日テレは社内のゲーム好きを集め、新規事業を立ち上げました。3年間のプロジェクトで予算は計1億円。黒字に転換できなければチームは即、解散となるようです」(テレビ関係者)

 それにしても今一つ、理解できないのが、日テレが参入した理由。視聴率競争でトップをひた走る中、あえてリスクをおかす必要はないからだ。
 「日テレは、このまま行けば'19年の年度&年間視聴率三冠王は達成できないのです。これまで高視聴率を下支えしてきた全日帯(6時〜24時)の番組が壊滅状態にあるからです」(同)

 加えて、テレビ業界を取り巻く環境が、悪化の一途をたどっている。
 「主な収入であるCMスポンサーが先細っている。'20年には地上波の広告収入がネットのCMに抜かれるとの予想も出ている。eスポーツの中継を請け負えば、新たな雇用も生まれる。うまくいけば、数千億円市場規模を形成できるんです」(日テレ幹部)

 そうした中、8月18日からジャカルタで行われる『アジア競技大会』で、eスポーツが初めて公開競技として採用された。
 「日本代表選手も競技に参加する。'22年、中国で開催されるアジア競技大会では、メダル競技として採用される見通し。その延長線には、五輪種目としての“格上げ”も期待されているんです」(業界事情通)

 しかし、頑な態度を切り崩していないのが日本オリンピック委員会。『アジア競技大会』でも“正式な日本代表ではない”として、サポートは一切行わない方針だ。
 「当然、開会式には、関係者の出席も不可となることを公表しました。日本においてeスポーツを巡る競技環境はまだ整っていないのです」(同)

 テレビ局が描く黄金の計算式が成立するのは、まだ先ということか。

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