会場周辺で異常な揺れが起こるようになったのは、開業直後の昨年春だった。
近隣のビルに勤務する会社員がこう語る。
「夜に振動を感じるようになりました。初めは地震かと思いましたが、揺れの感じが等間隔。不思議に思っていたら、クボタさん(『ZEPP』に隣接する重機大手『クボタ』本社)も同じ事を言い出したんです」
そのため、当時から『ZEPP』震源説は囁かれていたが、この時点では、まだ噂の域を出ていなかったという。
「噂では済まなくなったのが今年に入ってから。クボタでは本社ビルのうち2棟がライブ開催日に大きな揺れを感じるようになり、業務に支障をきたすようになった。同社は独自の調査により『ZEPP』を“船酔いのような異様な揺れの震源”と特定。中でも、観客が客席で跳び上がる“ジャンピング”行為を最大の原因とし、現在、大幅な改善を申し入れているのです」(社会部記者)
これを受け『ZEPP』サイドは「ジャンピング禁止」のポスターを貼り出すなど努力の姿勢は見せているが、観客の反応は悪く、関係者も「このままでは振動公害になりかねない」と頭を抱えている状況なのだ。
さらに、この騒動は他の懸念も孕んでいる。
「数年前、浪速区の隣の西区では、京セラドームで同じような振動騒ぎが起きている。心配されるのは、ベイエリアの地盤の軟弱さなんです」(大阪市関係者)
ここで思い出されるのが、東日本大震災で耐震構造の問題が露呈し全面移転断念となった、同じくベイエリアに位置する大阪府咲州庁舎だ。ある職員は「咲州も、ものすごく弱い土地の上に建っているのと違うか?」と不安気に話す。
ライブ会場が“震源”の揺れが、思わぬ波紋を呼びそうだ。