15日のモロッコ対イラン戦でのモロッコFWブハドゥズをはじめ、オーストラリアDFベヒッチ(フランス戦)、ナイジェリアMFエテボ(クロアチア戦)、ポーランドDFチョネク(セネガル戦)、エジプトDFファティ(ロシア戦)がそれぞれ記録し、その数が“5点”となっていたオウンゴール。グループリーグの段階で、その得点数は既に前回大会と肩を並べていた。
そして、25日に行われたグループAウルグアイ対ロシア戦。前半23分にロシアMFチェリシェフが記録したことで、その数は1つ増え“6点”に。これにより、今大会におけるオウンゴールの総数は1998年フランス大会と並ぶ大会史上最多タイ記録となった。
前述の通り、まだまだ先が長いこのタイミングで、早くもタイ記録が生まれることとなった今大会。では、なぜ今大会はこのようにオウンゴールが多発しているのか。「たまたま」や「不運」といった言葉で片付けるのは簡単だが、個人的には各国攻撃陣の“積極性”が理由の1つではないかと感じている。
前述のオウンゴールをそれぞれ見てみると、自身のシュートが相手に当たって記録されたものが全6点中5点。また、この内ベヒッチとチェリシェフのオウンゴールに関しては、最初はシュートを打った選手の得点としてカウントされてもいる。「シュートを打てば何かが起こる」という各国攻撃陣の積極的な姿勢が、今大会でオウンゴールが多発する一因であるのかもしれない。
ちなみに、こうした姿勢が影響しているのか、今大会では開幕戦から現在(グループB第3戦終了時)に至るまで36試合連続で得点が生まれている。また、これも余談だが、この記録は全26試合で得点が生まれた1954年スイス大会を上回り、大会史上最長記録を更新中であるそうだ。
文 / 柴田雅人