13日のオールスターゲーム第1戦に登板し、2本塁打を浴びるなど打ち込まれた松坂投手の様子を見た張本氏は、
「あんな姿見たくないね。みじめだね。私は彼の良いときを知ってるからね。ファン投票1位だからね、仕方ないにしても、ファン投票も考えてもらいたいわね」とコメント。
そして、選出方法と選んだファンにも苦言を呈したうえで、
「引退間際の力の衰えた選手は見たくないもの、我々は。良いときを知ってるから」と再度怒る。
これには、関口宏が「でも、見たいっていうファン心理もあるんじゃないですか」と返すが、張本氏は、
「それは本当のファンじゃないんですよ。本当のファンは見たくないはずですよ。なあ、どうだい?」
とゲストの元巨人・槙原寛己氏に水を向ける。槙原氏は「オールスターの投手はストレートしか投げてはいけないという暗黙のルールがある」と、話題を変え、この問題に言及せず、CMへと移行した。「炎上」には加わりたくないと考えたのかもしれない。
張本氏の発言に、プロ野球ファンが激怒。「成績が出なくとも投げているところを見たい」「スター性もプロのうち」「人気のない張本が松坂に嫉妬しているのでは」と怒りの声が噴出することに。
一方で、「もっともなことを言っている」「松坂が出るのはおかしい」「一番良い成績を残している投手を投票するべきだ」など、張本氏に賛同する声もあった。
オールスターの選出方法については、ネット投票が解禁された間もなかった2003年、3年前にヤクルトスワローズから中日ドラゴンズにFA移籍したものの、故障で一軍登板がなかった川崎憲次郎投手がファン投票1位となり、後に辞退したケースがある。
この現象は「川崎祭」などと呼ばれ、問題化。悪質な嫌がらせとする一方で、純粋に川崎を見たいという人もいたようで、議論を呼んだ。なお、この後ネット投票の規定が見直され、投票者の登録制度が導入されることになった。
昨今のオールスターゲームは槙原氏の言うように、投手はストレートのみという不文律ができており、真剣勝負よりも「お祭り感」が強いのが現状。また、交流戦の影響で勝負の新鮮さも薄れており、第一線の選手より、人気選手が選出されやすい傾向にあると言われる。
張本氏の言うように、オールスターゲームが実力のあるものが出場する舞台と定義するなら、わずか7試合の登板で3勝3敗の松坂が選出されることは、おかしいと言わざるを得ない。しかし、「人気選手が選ばれる舞台」とするならば、高い実績を持つ松坂が選ばれるのは、何らおかしいことではないだろう。
松坂が「みじめ」であるか否かは意見の分かれるところだが、「選出方法」や対象者の定義については見直す必要があるかもしれない。