さて、先週は芝の馬場状態の把握について書いたので、今回はダートに関して書いてみます。
各競馬場のダートコースの砂の深さは8〜9cmで調整されています。問題は砂の密度で、それにより重くて時計のかかる馬場と、軽くて時計の速い馬場の2通りに分かれます。
砂の密度が濃いと、馬の脚が着地した時、砂がはじけず、上滑りするような感じになり、クッションがいいかわりに力がいります。重くて時計がかかり、スピードタイプより、パワーがある大型の力馬タイプが有利になります。
逆に、砂の密度が薄い馬場になると、馬の脚が着地した時、砂がはじけ、路盤が上から見えます。硬くて軽い時計の速い馬場になります。先行力のあるスピード馬向きで、芝馬でも対応できる馬場です。
冬のダートコースは晴れて乾燥した日が続くことが多いので、通常はパワーが必要な馬場状態です。また不凍液をまいた時や雪がまじった時も力のいる馬場になります。雨が降って砂が流れ、密度がなくなると、軽い馬場にかわります。開催がわりの馬場や雨、雪の日など天候でかわる馬場状態にいつも注意しながら予想することが大切です。
とくに注意をしたいのはJRAが予算を節約し、コース全体の砂の密度を薄くすることがあることです。代表的なのはクロフネが勝ったJCダートの時がそうでした。速い時計が出ますが、トモを滑らせての出遅れやスタートミスが多くなるのをはじめ、馬の脚に負担がかかり、故障の原因にもなります。これは過去に問題提起されたこともあります。