不良馬場でも鈍ることなかったスピードはなかなかのもの。後藤騎手が「こっちの想像以上に一歩目が速かった。マイルまでは大丈夫」と言えば、武藤師も「文句なし。追ってからのアクションが素晴らしい。この馬場だから脚が上がることを心配していたが、損したね。まだまだ伸びしろがありそう」と賞賛を惜しまない。次走は未定だが、スピードは上のクラスでも通用しそうだ。
芝1600m戦は4角7番手から上がり3F33秒3とメンバー最速の差し脚を繰り出したダノンカモンが優勝。その雄姿は父シンボリクリスエスをほうふつさせた。
騎乗した福永騎手は「まだ体に余裕(520?)があったので反応が鈍かった」というが、それであの爆発力だから凄い。前途はまさに洋洋としている。「距離? センスのいい走りをするので、延びても全然問題ないよ」。ジョッキーは視線の先にクラシックを見据えていた。
【小倉】最終週は1鞍のみ。勝ち名乗りを挙げたカネトシコンジョウは、“根性”を見せるまでもなく4馬身差の楽勝を飾った。
道中は逃げ馬の直後に位置。4コーナーで外から前に並びかけると、楽な手応えのまま後続を突き放した。太宰騎手は「最後に気合を入れただけ。それでこの勝ちっぷりですからね。これからどんどん良くなるよ、この馬は」と期待に胸を膨らませていた。
【札幌】芝1800m戦は評判馬のスズカワグナーが、鮮やかな逃げ切りを決めた。
「返し馬で物見をしたたり、フワフワして走っていたので(集中力を高めるために)逃げた」と安藤勝騎手はしてやったりの表情。課題についても、「体は完成されているし、気性面で成長すれば逃げなくても競馬はできる」と柔軟性を強調。「フットワークも力強く、レースセンスがある」と評価した。次走は連闘でコスモス賞(オープン 札幌芝1800m 13日)を予定している。
芝1200m戦はプリンセスパトラが、イイデエースとの接戦をクビ差制してうれしい初勝利を飾った。
「最後は後ろから来られてあっさり交わされると思ったが、並んでからがしぶとかった」と古川騎手。「長所は素直で前向きなところ。これからの馬ですね」と今後の成長に含みを持たせた。次走は未定。