常に天真爛漫で、悩みなんか一切ないように見えるガッキー。ところが彼女、本当は引っ込み思案で、あまり性格が明るくない。ブレイクのきっかけとなった「ポッキーダンス」の際も、彼女の人となりをよく知る友人からは「あんなに活発に動く結衣を見たことがない。相当ムリしてるね」とツッコまれるなど、TVで演じるキャラと実像は、大きくかけ離れているのだ。
この「ガッキー本当は暗い」説は、以前から一部の実話誌などで秘かに語り継がれており、ガッキー本人も雑誌インタビューなどで、その片鱗をポロリと見せてしまうことが何度か見受けられた。しかしこの事実が広く世間に知れ渡ることはなく、今でも大部分のTV視聴者にとってガッキーとは、やはり「弾ける笑顔の元気印」なのだ。
ところがそんなガッキーに、ついに地上波のTV放送で、真の姿を臆面もなくさらけ出す機会がやってきた。15日放送の『情熱大陸』(TBS系)である。
ガッキーが主演するTBS製作の映画『ハナミズキ』が21日に公開される都合、宣伝で彼女をフィーチャーしたこの日のオンエア。番組は「はずかしがりやの引っ込み思案 カメラを向けられても何をすればいいのかわからなかった」という、彼女の心の声を代弁するようなナレーションから始まる。番組スタッフとの初顔合わせの際も、視線が泳ぎ気味でローテンションのガッキーの様子を、カメラは容赦なく捉える。そこには、CMで振りまく満面の笑顔はどこにもない。
引き続き『ハナミズキ』の撮影現場を追いかけるカメラ。「すみません」が口癖というガッキーは、撮影中何度も「すみません、ホントすみません…」と自信なさげに周りに謝ってばかり。そして番組中のインタビューで、ガッキーは堰を切ったようにネガティヴ発言を連発する(もちろんローテンションで)。
「すみません、面白いことしゃべれなくて…」
「周りの期待に応えられる自信は、基本的にない」
「これだけは誰にも負けない! というのが自分にはない。このままじゃまずいと思う」
「今もちゃんとできてるのかわからない」
「ホントにやだ」
しかし、その合間のCM撮影では、満面のガッキースマイルを演じなければならない。伏し目がちにボソボソと番組スタッフに独白した直後だけに、あのおなじみの笑顔が、かえって痛々しく映る。
ガッキーのローテンションは、映画の撮影から離れても変わらない。
カメラは、彼女がカフェで食事をとりながらの雑誌インタビューに応じる様子を追う。途中、バッグから「最近買った」というトイカメラを取り出し、周りをパシャパシャと撮り始めるガッキー。インタビュアーが「写真好きなの?」と水を向けると、
「趣味って言えるレベルじゃないよ。上手じゃないもん…」
と素っ気ない返事。ホントに大丈夫なの?
番組中のインタビューでは、結婚について話が及んだ時だけ、
「30までに結婚するよ! 手相の先生がそう言ってたもん。子供も産みたいな」
と元気に回答したものの、仕事に対する具体的な目標は最後まで明言しなかった(できなかった?)ガッキー。
「お芝居のレッスンも積んでないのに、デビュー作でいきなりヒロインというのがツラかった」
という告白から、周囲に与えられた「ガッキー」像を演じ続けることへの不満、疲れを感じとることができる。番組の最後に、
「背中を押されて無理やり歩いてるんじゃなくて、自分の足で責任持って歩きたい」
という言葉でインタビューを締めくくったが、その言葉からは、現状の“アイドル”から、セルフプロデュース的な“アーティスト”への脱皮願望が窺える。
それを考えると、近い将来、ガッキーがTVで笑わなくなる日がやってくるのかもしれない。「明るく元気な、ぼくらのガッキー」が大好きな諸兄は、今のうちからある程度覚悟しておいたほうがいいのかも!?