グラビアアイドルの疋田紗也ちゃんと私はコンビを組んで、バスで行くミステリーツアーを続けている。「疋田紗也・山口敏太郎の不思議まじ?カルツアー」と題して不思議スポット、開運スポットを巡るというものだ。既に2回行われ、これまでに訪れたのは日光と富士山近辺。どちらも熱心なファンが駆けつけ、私の解説もあり、好評だった。
このツアーでは不思議スポットを巡るため、参加者の中には奇妙な現象を目撃する者が出ることもある。そもそも疋田紗也ちゃん自身、私が“スピリチュアルアイドル”と命名するほど非常に強い霊感を持っており、このツアーでも何度か不思議なものを見たそうだ。
2度目のツアーで富士山に行った時のことである。ツアー中盤、富士御室浅間神社を訪れた時のこと。紗也ちゃんは神社の近くに来ると、気持ち悪くなってきたという。
「神社の祭神である木花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)がどこかに捕われている」「何者かが敵意を持ってにらんでいる」などとつぶやき、足を踏み入れることをためらっていた。何とか、敷地内に入ることができたのだが、始終不安そうな様子だった。
さらに、後でわかったことだが、神社内で撮影した写真の1枚に、緑色の女性が写っていたのだ。「ここは疋田紗也にとって危険な場所なのだろうか?」ツアーが無事終了した後も、関係者一同不安を捨て切れなかった。しかし、後にあることが判明した。このツアーのアドバイザーである私自身が、懇意にしている尼僧、茶羅尼さんからツアーの前「紗也ちゃんは木花咲耶姫に守られてるね」と言われていたのだ。
木花咲耶姫とは富士山に祀(まつ)られている、美しい女神である。
ある時、彼女は笠沙の岬で瓊々杵尊(ニニギノミコト)と出会い、求婚された。彼女の父はそれを喜んで、木花咲耶姫と共に彼女の姉である磐長姫(イワナガヒメ)を差し出した。しかし、美しい木花咲耶姫とは異なり姉の磐長姫の容姿は醜かったため、瓊々杵尊は磐長姫を親元へと送り返した。父がこの姉妹を一緒に瓊々杵尊に差し出したのは、木花咲耶姫は花の様に天孫(天照大神の子孫、主に天皇家)が繁栄するように、磐長姫は天孫が岩のように永遠のものになるようにという意味があったのだ。しかし、瓊々杵尊は花(木花咲耶姫)だけを愛し、岩(磐長姫)を送り返してしまったため、天皇家を含め人々は永遠の命を得ることができなくなったと伝えられている。
瓊々杵尊に嫌われた磐長姫はひどく木花咲耶姫を恨んだ。それゆえ、木花咲耶姫に縁のある者が磐長姫の祀られている神社を訪れると、障りがあるといわれている。だが、疋田紗也ちゃんが訪れたのは、木花咲耶姫が祀られている富士御室浅間神社。これはどういうことなのか。私の見解によると、木花咲耶姫と磐長姫は、二面性を持った一人の女性だったのではないかと考える。つまり、紗也ちゃんが富士御室浅間神社を訪れた時は、磐長姫の面が現れており、紗也ちゃんに対して敵意を持ったのではないか。幸い、その後、紗也ちゃんとツアー参加者には何事もなく、関係者もほっと胸をなでおろしたのだ。
◎次回は11月1日箱根の旅
毎回不思議怪異が巻き起こる、まさにミステリーなツアー。次回は11月1日(日)に箱根の旅が行われる。もちろん、開運スポット訪問もあるので、興味をお持ちの方はぜひ一度参加していただきたい。(問い合わせは株式会社山口敏太郎タートルカンパニー メール tortoise_company@yahoo.co.jpまで)