ドリームジャーニーの課題はたったひとつ。コーナーが3つしかない東京2000メートルの克服だ。朝日CCを勝って勢い十分で迎えた昨年も、見せ場さえつくれず10着に大敗している。
まさに鬼門のコース。しかし、今年は勢いだけでなく、充実と円熟が加味された。2走前の宝塚記念で朝日杯FS以来、2年半ぶりのGI制覇を達成した。昨年は2歳王者のタイトルしかなかったが、今年はもうひとつ大きな勲章がある。上半期グランプリホースのプライドを胸に、府中の杜に立ち向かう。
「確かにコーナーが4つある方が折り合いもついて、レースはしやすいね。でも、今年は宝塚を勝っているように昨年より確実に力をつけている。それだけにコーナー3つの東京もクリアしてくれると思う」と池江寿調教師はうなずいた。
実際、昨秋の天皇賞でウオッカ相手にハナ+クビ差の接戦を演じたディープスカイを宝塚記念で完封した。成績が先細りになりがちだった2歳王者のイメージを一新、経験を積むにつれ、ぐんぐんスケールアップしている。いずれも晩成だった父ステイゴールド、母の父メジロマックイーンの血が、5歳にして輝き始めたのだろう。
鞍上の池添騎手もその充実ぶりに目を細める。「今年に入って体がとにかく良くなってきた。ひと回りパワーアップしている。すごく充実してきたね」
前走のオールカマーを叩いて状態も本番仕様へと仕上がった。1週前追い切りは池添がまたがって栗東ポリトラック。6F79秒8、ラスト1F11秒8の好時計をマークした。鞍上も宝塚記念とそん色のない仕上がりをアピールする。
「休み明けだった前走と違って息遣いがすごく良くなっている。動きも段違い。これなら胸を張って挑める」
同世代の女王ウオッカとは、ダービーをはじめ、過去に3度対戦したが、すべて負けている。リベンジに向けて機はようやく熟した。苦手の東京コース克服、その先に最強馬を打倒するシーンが見えている。