「有終の美を飾らせたい」という上原師の熱い思いを知ってか知らずか、12日の追い切りではこれまで以上のパフォーマンスを見せつけた。デムーロ騎手を背にWコースで5F62秒7→35秒7→12秒3の猛時計。今がピークといってもいいほどの迫力満点の調教に、「動き、時計とも良かったね。具合がいいので、このままいってくれれば」と目を細める。
「乗りかわりになるけど、デムーロ騎手は皐月賞時のコンビだし、まったく問題ないよ。二五についても、昨年3着しているからね。前走時と違って、今回は何の心配もなく調整できているのが大きい。最初で最後の兄妹対決でもあるし、いい形で締めくくりたいね」その表情には自信がみなぎっていた。
一方、昨年2月のマイラーズC以来の騎乗になったデムーロ騎手も「昔、乗ったときと一緒。スタミナがあってシャープだ」と好感触。しっかりと手応えをつかみ、「距離は少し心配だけど、強い馬だからね。自分に初めて日本のGI(2004年皐月賞)を獲らせてくれた馬。最後のレースだし、何とかしたい」とVへ意欲をのぞかせていた。
いよいよ最後となる大一番へ向け、人馬とも盤石の態勢が整っている。