「スピリチュアルカウンセラー」という意味不明の肩書きをでっち上げ、『オーラの泉』で一躍人気者となった江原啓之は、この10年で莫大な資産を稼ぎ出した。「霊能者」という古臭い呼び方を「スピリチュアルカウンセラー」と今風に呼び替え、前世やオーラという、客観的に考証するのが不可能な言葉を使って、人の心を惑わした結果、築き上げた豪邸である。近在の人々は、苦笑まじりに「オーラ豪邸」「前世豪邸」と呼んで揶揄している。
豪邸の中身は、既存の宗教やオカルトの美味しい部分をつぎはぎして、インチキな思想体系を作り上げた江原イズムが見事に反映されている。玄関を入ると神棚があるのだが、家の中には他にも様々な神様が奉られている。しかも、神々と同じように自分の写真も飾っているのには仰天! 江原のナルシストぶりがうかがえる内装であった。
現在、コンプライアンスが強化され、「霊能者」や「スピリチュアルカウンセラー」という得体の知れない人間たちはテレビに出られなくなっているが、そんな中で江原啓之がささやかな抵抗をしている。自分のオフィシャルサイトで自ら映像配信をしているのだ。『江原啓之TV』という番組がそれで、会員のみ視聴が可能になっている。ネットTVを使った江原の生き残り戦略だが、宗教家とは思えない脂肪にまみれた弛んだ肉体を、誰が信じるのであろうか。今夜も十億円御殿で美食に舌鼓を打つ江原に、未来はない。