そして、中嶋から「どなたですか?」と尋ねられると、坂上は「○○しかいない」と発言し、見事その監督を言い当てた。過去に1度、某有名監督の映画に出演したという彼は「2度と出ねぇ! あんな奴の映画!」とぶっちゃけ、周囲は大ウケ。しかし、隣にいた中嶋は、監督と交流があるのか「一緒に映さないで〜!」「私ここにいたくない!」と苦笑いで絶叫した。坂上によると、某有名監督は、撮影中に何度もリテイクを要求してくるにもかかわらず、その理由を一切言ってこないという。
番組で名前は伏せられていたが、特に厳しい演出を行うことで有名な映画監督といえば、坂上が出演した映画『ダウンタウン・ヒーローズ』や、中嶋が出演する『家族はつらいよ』シリーズなどを演出した山田洋次がいる。彼の演技指導は、出演者によるインタビューでも度々話題に上がっており、同じく『家族はつらいよ』シリーズに出演する蒼井優によると、「監督は犬にもダメ出ししていました。『なんでワンってほえないんだ。なんでウ〜ッ、ワンなんだ。ウ〜ッてなんなんだ』ってすごく怒って……」と、動物にまで完璧な演技を求めるようだ。
また、そんな監督を撮影の現場以外で怒らせた芸人が、南海キャンディーズの山里亮太である。
2006年、山里が『日本アカデミー賞』のインタビュアーとして参加した時のこと。当時、彼は時代劇映画『武士の一分』で受賞した監督に対し、なぜ、時代劇を撮ろうと思ったのかと質問。これに監督は「時代劇を撮ろうと思ったんじゃなくて、興味を持ったのが時代劇だったんですよ」と答えた。ここまでは、順調に進んでいたインタビューだったのだが、山里は大舞台で緊張していたのか、その後も「時代劇にこだわりがあるということで……」と質問してしまい、「ですから時代劇じゃなくて」と否定されたという。さらに、山里は「監督にとって時代劇とは?」と、同じような質問を何度も続けたことで、ついに監督は「だからね! こだわりはありません!」と、ブチギレてしまったようだ。
この時のことについて、山里は後に「生きてきた中で1番スベった」と振り返っている。しかし、芸人としてはある意味、伝説を残したと言えるかもしれない。