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カジノ誘致デッドヒート 大本命はここだ!(2)

 では、各有力自治体の顔ぶれを順番に見ていこう。

 本命は大方の予想通り『沖縄県』だ。県と商工会議所が中心となって誘致活動を行っており、経済効果や雇用効果などの基礎的な調査を毎年実施するなど余念がない。観光で成り立っている県なのでカジノ誘致に住民たちも前向き。さらには米軍基地負担等の政治的問題も抱える国民心情からしても、沖縄県設置はほぼ確定といえる。ただし、県内の場所選定は難航しそうだ。
 「土地の権利関係が難しいほか、さまざまな利権争いが想定される」(有識者)
 また、那覇空港のキャパシティーの小ささも問題になっており、こちらも拡張工事をするのであれば、そこに新たな利権が生まれる。

 対抗は東京都ではなく『北海道』と『大阪府』。
 北海道は、知事、道庁ともに積極的な姿勢をみせているほか、地域としては『小樽』、『釧路』、『苫小牧』が誘致活動を行っている。その中でも、新千歳空港周辺には広大な土地が広がっており、『苫小牧』が最有力。「政治家の間では、最初にカジノを設置する地域は、沖縄と北海道という話をよく耳にします」と、全国紙政治部記者が言う。
 用地は、失敗に終わった苫小牧東部開発計画の跡地などいくらでもある。北海道の産業といえば農業や漁業がイメージされるが、実際は公共工事に頼りっきりになっているのが現状。ここ数年、欧米のほか中国、オーストラリアなどからも観光人気が高まっており、カジノ誘致成功で二つ目の収益の柱としたい考えだ。
 アベノミクス効果も財政出動が縮小されれば、一気に景気は冷え込むことが予想され、安倍政権にとっても見捨てられない地域なのである。

 13年前、オリンピック招致に失敗した大阪は、ベイエリアに夢洲、舞洲といった“適合地”が埋め立てられたまま広大な空き地として存在している。「このエリアに誘致できれば、埋め立てを失敗と追及されずに済む」との声もある。
 現在、橋下徹大阪市長が強烈なトップセールスを行っており、いざカジノ候補地選定となれば、東京一極集中に対し猛烈に抗議することは目に見えている。しかもカジノ計画は、都市計画の変更等が必要な場面が必ず出てくる。橋下市長であれば、議会さえ説得すれば容易に都市計画が変更できるため、カジノ計画自体も立てやすい。

 『東京都』は、お台場カジノ構想が有名だが、実は肝心の舛添要一東京都知事が明確な態度を表明していない。否定的な発言こそしていないが、以前の石原慎太郎氏のときのような熱心さがない。
 ただし、人口や交通インフラ、海外からの知名度など土壌は万全であることに加え、昨今の都知事選の戦略のように、態度はギリギリまで表明せず、できる限り批判や反対意見が出る時間を短くした上で立候補することも予想されるため、可能性が高いエリアの一角であることには違いない。
 仮に東京都が誘致を正式に表明した場合、首都圏にカジノは一つとなる見込みであることから、『神奈川県』や『千葉県』への誘致は、かなり厳しくなる。

 『愛知県』はセントレア空港のそばに広大な土地がなく、仙台空港周辺に誘致をもくろむ『宮城県』は“復興の象徴”と一部の民間企業が言っているだけで知事はやる気がない。
 『静岡県』、『石川県』など温泉地でもカジノ誘致を目指す動きをしているが、カジノは複合観光施設の一角を担うものであり、“浴衣で楽しむ大衆娯楽”とは違うので現実的ではない。
 九州エリアでは、『福岡県』、『長崎県』、『宮崎県』が候補になり得るが、民と官が一緒に取り組んでいるのは長崎県のハウステンボスのみ。大手パチスロメーカー、セガサミーHDが力を入れているシーガイアは、宮崎県が本腰を入れなければ空回り感は否めない。

 莫大な利権を巡る戦いは、もう始まっている。

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