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吉本興業のお家騒動にそっくり 急速に業績悪化する日産の悪夢

 ゴーンショックの影響がここまで深刻なものになるとは、誰も想像していなかったのではないか。

 日産自動車が7月25日に発表した2019年度の第1四半期決算(4〜6月期)で、本業の儲けを示す営業利益が前年同期比98・5%減の16億円という危機的な数字だったのだ。
「日産は、米国で販売奨励金に頼った“値引き依存”に陥っており、今期はそれを脱却するために『販売奨励金』を減らしたんです。その結果は歴然で、販売台数の減少率が米国市場全体の約2%を上回り、約4%となってしまった。これが日産の歴史的な減益の大きな要因です」(経済誌記者)

 現在の自動車業界は、自動運転や電気自動車などの開発費の増大、原材料価格の高騰もあり、車両の販売価格が上がり続けている。
「少しオプションをつけるだけで、軽自動車で200万、ファミリー層に人気のミニバンも400万に届く価格設定です」(自動車評論家)

 このため、世界的に自動車の販売台数は減少基調にある。とはいえ、日産の数字は異常だ。
「日産は、ゴーン時代にコストカット目的で新興国へ生産拠点を移した。このため、新技術や新車種をすぐにラインに取り入れることができず、新車発表のペースも遅いのです」(同)

 日産は他の自動車メーカーと比べてフルモデルチェンジが少なく、モデル末期の車種が際だって多い。日産系列ディーラーの営業マンからは「売る車がない!」という悲鳴が上がっているほどだ。
「依然として日産とルノーの主導権争いも続いていて、それどころではありません。これほど対外的な問題が山積しており、経営も危機的状況に陥っているというのに、経営陣はゴーン体制脱却後の派閥闘争や、自身のポジションをめぐって社内政治に明け暮れている。当初、4800人としていた人員削減数を1万人規模に拡大しましたが、もはやここまでくると焼け石に水です」(前出・経済誌記者)

 コワモテ経営者の退陣問題と現場の混乱――なんだか日産が吉本興業に見えてきた。

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