秋華賞のブラックエンブレム、そしてジャパンCのスクリーンヒーロー。西高東低の図式は変わらないが、徐々に関東勢の揺り返しが起こっている。そして、この2歳女王決定戦でも東から才気あふれるヒロイン候補がやってきた。国枝厩舎の秘蔵っ子・ダノンベルベールだ。
特に圧巻だったのが前走の赤松賞。メンバー中最速の上がり3F33秒9を駆使して快勝。GI出走へのチケットをしっかりつかんだ。
「じっくりと後方で脚をためていったけど、直線だけで押し切る強い内容だった。完成度では見劣るが、ここに入っても素質的にヒケを取るとは思わない」。福田調教厩務員もGI級のポテンシャルの高さをアピールする。
11月22日に美浦から移動して2週間あまり。栗東の水にも慣れてきた。1週前追いでは坂路で主戦・後藤騎手を背に、800メートル55秒5と軽快な動きを披露。唯一の懸念材料だった環境の変化にも戸惑うことなく、2歳女王の座へ万全の仕上がりだ。
「順応性が高く、むしろ美浦にいたころより落ち着きがある。今回は栗東へ馬を鍛えにきたわけじゃない。このレースを狙ってきただけに、何とかいい結果を出したい」
今年は東からヒロイン誕生のシーンも十分ありそう。
【最終追いVTR】1週前よりやや強めに追われ、800メートル52秒台をマーク。開門直後とはいえ、余力残しでこのタイムが出るのだから大したもの。落ち着きもあってムードはいい。