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キャバ嬢が生まれる瞬間(37)〜語学力を磨くためにキャバ嬢になった女〜

 高田真美(仮名・22歳)

 私は昔から英語が得意な方じゃなかった。というかあまり勉強しなかったんだよね。だから当時の英語力はクラスでも並レベル。そんな私に英語の興味を持つきっかけを与えてくれたのが海外ドラマの『glee』だった。私がそのドラマで感銘を受けたのは、歌やダンスとかよりも、生き生きと会話を交わす登場人物たち。だからもっとこの世界を理解するため、英語を覚えたいって思った。

 英語が理解できないと、映像作品はどうしても字幕を追うことで画面から視点がずれてしまう。それに翻訳のニュアンスも人によって全然違うからね。物語を真の意味で理解するのなら英語を覚えるしかない。それから私は高校を卒業し、フリーターになった後、英語の教材を大量に買い込んだ。カラオケのバイトへ行く前は、毎日必ず英語の勉強をする日々。

 でも色々試して思ったのが、教材はもちろん役に立ったんだけど、一番重宝したのがDSとかのゲーム機。私の場合はまず基礎から叩き込んでいく必要があったからね。ゲーム機は英単を勉強できるソフトがたくさん出ているから、アマゾンレビューで特に評判のいいのを購入してやり続けた。紙と違って、画面だとゲーム感覚で出来るし、記録もデータとしてすぐ反映されるから達成感もある。だからとてもスムーズに習得できた。

 そして3年くらい地道に勉強してTOEICを受けてみたら、700点をついに越えたんだよね。でも実際にしゃべれるかどうかは別問題。そのころは海外ドラマのことはどうでもよくなっていて、実際に外国人と話せる仕事をしたいと考えるようになった。でもまだ海外に行くほどの勇気はないっていう。

 それで私は外国人も接客している六本木のキャバクラで働くことを決めた。実は前からキャバクラという仕事は気になっていたいたんだけど、容姿に自身がなくて行く勇気がなかった。でも面接でTOEICの結果を話したら、ぜひうちで働いてほしいとの返事をもらって採用されることに。それと私の顔つきは、少しルーシーリューに似て目が釣りあがっているのがコンプレックスなんだけど、店長はそんな顔が外国人に受けるんだって喜んでくれたんだよね。今後はどんどん外国のお客さんを接客して、自分の語学力を高めていきたいって思ってます。

(取材/構成・篠田エレナ)

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