ホラー映画に出てくるようなマスクを被り、メタル音楽に合わせてヘドバンや、会場へのダイブ、水上ボートで会場縦断など、破天荒でド派手な演出が話題となっている異端アイドル事務所・アリスプロジェクト。看板ユニット「アリス十番」のファンはデストロイヤー(破壊者)とも呼ばれる。
そんな事務所所属の「仮面女子」(アリス十番×スチームガールズ)のニューシングル『妄想日記』は、人気ビジュアル系バンド「シド」の代表曲をカバーしたもの。今回、計10組のバンドが、「シド」結成10周年を記念して同時にこの代表曲をカバーしたが、並みいるバンドが連なる中、アイドルが混じっているのはもちろん異色。
そしてカップリング曲の『天地-AMATSUCHI-』は、近未来ダークファンタジーゲーム『真・女神転生IMAGINE』とのタイアップだ。ゲーム内でも仮面女子のメンバーが登場し、ふだん彼女たちがライブで使用するチェーンソーやガスマスクなどの武器防具がアイテムとして出てくる。AKB48が恋愛アドベンチャー『AKB 1/153 恋愛総選挙』をリリースするならば、こちらは血まみれの殺戮ゲームというわけか。どこまでもアイドルのイメージの対極を突っ走る。
そんな話題性に溢れた本作だが、業界関係者が見て何よりも驚くことがあった。連日、アリスプロジェクトでは「純血」というドキュメンタリーをネット上で流していたが、そこで『妄想日記』のCD売上(予約枚数)を発表していたのだ。12月4日現在は19334枚。1日単位、1枚単位で売上をカウントして公表しているのだから尋常ではない。
「確かに週報やオリコンポイントではなくて、日々の売上枚数を出すのは手の内を見せるようなものなので通常は行わないですよね」(アリスプロジェクト関係者)
通常はやらないから、じゃあ、やってしまえというノリなのか…。今後、どこまでアイドル・音楽業界を「破壊」してしまうのか、楽しみなようでいて怖い。
■アリスプロジェクト公式 http://www.alice-project.biz/