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丹下日出夫の若駒通信簿 芙蓉S勝ちの内容優秀ニシノメイゲツ

 週初めからの秋雨で中山、阪神ともに芝は、稍重からのスタート。先週までの馬場が良すぎただけに、数字的には、今週の馬場が通常の良馬場といった感じだろうか。

 馬場差は、マイルで0秒5ほどのプラス見当。芙蓉Sを勝ったニシノメイゲツの芝1600メートル1分34秒7は、先週ならば1分34秒を切るか切らないかだったか。この時計は当日の最終レースの古馬500万を0秒1上回っていた。2歳秋のこの時期に、古馬500万と互角ならマイル重賞の1つはいける。
 しかも、直線入り口からゴール前にかけて、終始、大外を回っての一気差し。急坂の待ち構える中山で、あのコース取りから強襲を決めた馬は、テイエムオペラオーの皐月賞しかり、経験上、GI馬にかなり近い。
 腹回りから腰にかけての粘りのあるつくりやレースぶりは、父デュランダルよりもネバネバ系の母の父ダイイシスの影響が強いように思う。さすがに距離は2000メートルがギリギリだろうが、2〜6Fまでがすべて11秒台というタフな平均ラップの上に立ってのあの内容なら、とりあえず3歳春までは、能力だけでクラシックディスタンスにも耐えられる。

 年内の狙いは京王杯2歳Sから朝日杯FSが濃厚。年明けの最終目標は、結局はNHKマイルCに収まる可能性が高いが、関東馬にも、やっと胸を張って重賞で勝ち負けできる馬が現れた(通信簿はマイラーの分、4.5)。
 阪神芝1400メートルのききょうSを制したダッシャーゴーゴーも、渋り加減の馬場で1分22秒4ならマズマズ。こちらも、3〜4コーナーにかけて、他馬に二度三度と接触。クリンクリンと仰天したように目玉をひっくり返していたが、その不利を跳ね返すだけの闘争心や勝負根性は、時計以上の価値がある。
 一方、新馬戦は上がり3Fを推定11秒6→11秒5→11秒3でまとめた(初陣で芝1800メートル1分49秒9もマズマズ)ブラックゼット以外は少し低調。
 中山マイルのキングレオポルドも、ラスト2Fの急坂を11秒6→11秒5というレースラップでまとめているが、同日の2歳未勝利は1分36秒0。1分37秒7は、やはり若干、物足りない。

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