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「トレードやる!」松坂の奮闘で中日投手はチャンス激減

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松坂大輔

 中日・森繁和監督(63)が何かを仕掛けてくる。
 松坂大輔(37)が試合前のキャッチボール中に背中を痛め、先発を回避したのは交流戦期間中の6月16日だった。翌日、「背部の軽度の捻挫」と診断され、22日になって、ようやく練習を再開させた。
 この松坂の回復具合が、中日のチーム編成に影響を与えているというのだ。
「森監督が地元メディアの単独インタビューに応じ、『衝撃的な発言』をしています。7月に中日の選手が一人去る、と。そう明言したんです」(プロ野球解説者)
 この発言を聞き、スポーツメディアの中日担当者、ならびにプロ野球解説者の脳裏には、ある中堅投手の名前が過った。森監督は就任一年目の春季キャンプ中も、ご破算になったトレード話を打ち明け、放出選手の名前まで明かしていたのだ。
「伊藤準規(27)ですよ。潜在能力が高く、期待されていた投手です。伸び悩んでいるわけですが、他球団は『使わないなら、是非ほしい』『ウチにくれば蘇生させられる』と、トレードの申し込みが殺到しているんだそうです。森監督は、伊藤本人のことも考え、悩んだと言っていましたが、『ラストチャンス、ダメなら放出』と話を締めくくりました」(前出・同)

 伊藤は昨季、35試合に救援登板している。防御率2・35。今季はあまり出番がない。だが、「もっと、ヤレる。伸びしろもある」と、他球団は見たのだろうか。森監督が「一人去る」といった選手は、この伊藤ではないかと予想されている。
 森監督は「すでに5球団から話が来ている」とも言っていたが…。
「中日のスコアラーが西武二軍戦を視察しています。中日が欲しいのは救援タイプの投手でしょう」(ベテラン記者)
 だが、松坂の回復が遅れるようであれば、中日は交換要員を先発タイプに切り換えるという。ただ、中日には先発タイプの若手投手も多く、彼らが一人前になるまでは、松坂や外国人投手で乗り切ろうとも考えている。内野、外野ともに選手はいる。弱点とされた捕手にしても、昨年オフ、FAで前日本ハムの大野奨太を獲得している。森監督の発言が伊藤を指していなかったとしても、交換要員は投手で間違いはないだろう。

 西武二軍の視察情報以降、こんな情報も聞かれるようになった。
「伊藤ではなく、左の大野雄大にトレードの申し込みが殺到しているのでは。西武はシーズン序盤に阪神から左腕・榎田を獲得し、見事に再生しています。大野は将来のエース候補とされながら、伸び悩んでいて、今季も試合序盤に失点する悪癖を克服できず、二軍落ちしています。最近になって、一軍練習には合流させてもらえましたが。首位・西武は2位チームとのゲーム差が縮まっているので、トレードをやるなら、チームの起爆剤になるくらいでないと…」(球界関係者)
 中日投手を巡るトレード話が絶えないのは、松坂のせいでもある。松坂が戦力になると予想したメディアはほぼ皆無。中日選手も懐疑的だった。その松坂が一人加わったことで、今まで我慢して使ってもらっていた“伸び悩み組”のチャンスは激減、そこにつけ込まれたというわけだ。

 その松坂は近日中に先発復帰する。森監督の「一人去る」発言は、対象選手への喝も秘められていたのだろうか。いずれにせよ、中日は何かを仕掛けてくるのは間違いないようだ。(スポーツライター・飯山満)

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