サラブレッドの男馬として、生を受ければクラシックの頂きを目指すのは宿命。ジャーニーも3歳時はこの呪縛に苦しめられた。とくに、激しすぎる悍性に菊花賞は不安を抱いての挑戦となった。結果は5着。一応の格好はつけたが、3000mを激走したツケは大きく、復活に至るまで1年近くの歳月を費やした。
それでも、長いトンネルのさなか、青年トレーナーはあることに気づいていた。「(武)豊ジョッキーが鳴尾記念で騎乗した際、コーナーが4つある方が乗りやすいと言っていたが、私も息が入れられるコースが一番だと思っていた。だから、体調が戻った夏からは小倉記念→朝日CCのローテを組んだんだ」。その鋭い眼力により、ジャーニーは軌道修正。中間も順風満帆だ。
「グリーンウッドから帰厩後も超がつくほど順調にきた。日曜に坂路で15-15に抑えるのは前回と同じパターン。今はこの調整で本当に落ち着きが出てきた」と山下助手。「2歳の時は完成度の違いでマイルGIを制したが、本来は二千から二四がべスト。ホント、小柄だけど、デビュー戦から一度も痛いところがない。体のしんから強い馬だし、もう1回GIを獲らせてやりたいんだ」と力を込めた。
早熟2歳馬のレッテルに苦しみ抜いた過去を払しょくするべく、この朝日CCも圧勝。天皇賞・秋にリーチをかける確率は100%に限りなく近い。