音楽で絆を取り戻そうとする家族を描く同作。高杉は、「初主演で緊張や、失敗の連続ばかりでしたが、監督やスタッフの皆さん、共演者に助けてもらって、すばらしい作品になりました。バイオリンも、だいぶ形になるように練習をがんばりました。観るだけではなく、クラシック音楽も楽しんでもらえたらいいなと思います」とつめかけたファンにあいさつをした。
主人公の姉を演じた剛力は、千葉県の浦安市の協力のもと製作された本作を、「浦安の皆さんの愛など、家族の愛だけではなく、いろんな愛に包まれた作品になっているのではないかなと思います」と感じたという。また、映画祭初日には、環境やエコロジーをアピールするグリーンのカーペットの上を歩いて、オープニングセレモニー会場へ入ったが、初めて歩いたグリーンカーペットの感想を「最初はすごい緊張したのですけど、来て下さった方がいっぱいいて」「逆にリラックスして歩けたのではないかと思います。すごく楽しかったです」と語った。
母親役の鶴田は、「楽器の練習が大変で、震災の際も、迷う心と戦いながら必死でみんな、楽器を弾けるように勉強しました。そんなところも観ていただけたらうれしいです」と語り、製作については、「浦安は液状化もひどくて、被災地の一つになっていたのですけれども、そんな場所で撮影をしていていいのだろうかという迷い」があったことを明かした。しかし、撮影の際に浦安の人々から励まされたエピソードを紹介し、「もしかしたらこの映画をやってよかったのかなと、少し光がさしたことを思い出します」と振り返った。
三村監督は、「3.11以降、改めて、家族、夫婦、親子、恋人、友だちなど、人間のやさしさって何なのか、皆が立ち止まって考えています。このタイミングで上映できてよかったと思います」とつめかけたファンにあいさつをした。(竹内みちまろ)