瀧被告の起訴を受けて、所属していたソニー・ミュージックアーティスツは、2日マネジメント契約の解除を発表している。同事務所は、電気グルーヴの音楽の販売、配信を停止しており、釈明文では「誠意を持って対応する」と記していたものの、今回の非情な対応にネット上では「そもそも誠意って何かね」「もうソニーのCDは買わない」といった怒りの声もある。
今回の事態で現実味を帯びてくるのが電気グルーヴの解散、もしくは実質的な活動休止であろう。電気グルーヴはデビュー以来、一貫してソニーに所属してきた。瀧被告の契約解除となれば「電気グルーヴは別腹」と扱うのは難しい。莫大な損害賠償請求を見越しての解雇とみることもできるが、長年会社に貢献してきたアーティストをあっさり見捨てるさまはやはり批判を招きそうだ。
今後、解散はしないといっても、CD発売や、ライブ出演がスムーズにできないままでは、実質的な解散状態へ追い込まれることは想像に難くない。そんな電気グルーヴにはもうひとつの解散危機があった。
電気グルーヴは1991年にメジャーデビュー。2001年にいったん活動休止している。この年は、10周年を記念したセルフ・トリビュートアルバム『The Last Supper』をリリースしたが新作は出せずに終わった。前年度の2000年に出したオリジナルアルバム『VOXXX』は70分超えの大作。スピードある曲を集めたライブリミックスアルバム『イルボン2000』も出しており、もはや「完全燃焼」の印象もあった。
そして2001年9月に行われたオールナイトのレイヴイベント『WIRE01』のライブを最後に活動休止を宣言した。すでにファンは活動休止を見越しており、最後のステージを見ようとチケットは入手困難に。チケットにはプレミア価格がついていた。石野卓球と瀧被告は高校時代からの友人同士であるが、この時は、関係性がかなり悪化。このままでは永遠に仲違いしてしまうと双方が感じ活動休止を選択したとされる。
最初の解散危機を乗り越えてきた彼らが、今回の騒動にどのような答えを出すのだろうか。瀧被告保釈の瞬間にも石野は自身のツイッターに投稿を続けており、保釈時の瀧被告の似顔絵も投稿している。石野流の愛情表現にも見えるが、今後の展開に注目が集まる。