3月21日の浜田文子戦後だった。「もうやりたくない」。そう泣き崩れた風香はリングを後にした。浜田から想定外の“蹴撃”を食らい、身も心もズタズタに切り裂かれ戦意喪失。これまで味わったことのない感情に「戦う気力がなくなった」として、戦線離脱することになった。
レスラーにとって戦意喪失というのは致命傷といっていい。とはいえ、やむを得なかった。「叩き潰されてプロレスのことが考えられなくなって…。とにかくパニック状態で休むことにしました」。しかし、そのリフレッシュ期間が風香を変えることになる。
「奈良の実家で毎日20時間くらい引きこもってました」。いわばニート同然の引きこもり生活、そんな状況下であるブツが風香に奇跡を起こす。「占いとか信じないんですが、パワーストーンにハマッて仕事とか恋愛成就のヤツを20個くらい買いました。そしたら段々効いてきて…」。パワーストーンの魔力に導かれるように、復活への決意が固まった。
しかし、だ。プロレスラーになって初の休暇を満喫した一方で、引きこもりも度が過ぎてしまった。「毎日ケーキ6個とか食べてて4kgも太っちゃいました。バストが2ランクアップして身体がふたまわり大きくなっちゃって…」。
離脱中にウエートアップにともなって、バストがBカップからDカップにまでグングン成長。“巨乳化”したというのだ。女性にとってはうれしい悲鳴だが、風香はあくまでレスラー。「絞るために必死こいてトレーニングしました。新技もできました」。この日は試合にこそ敗れたものの、完成した新必殺技を披露するなど、ファンに元気いっぱいの姿を見せた。