海外ニュースサイト『Daily Mail』と『Metro』は11月11日、黙とうの最中、ロケット花火を放った疑いで、38歳の男が逮捕されたとそれぞれ報じた。
記事によると、イギリス・マンチェスターに近いサルフォードで11月10日、戦没者追悼記念式典が開催された。退役軍人を含む数百人が参加していたという。式典の終盤、黙とうの呼びかけとともに、参加者らは起立し、神妙な面持ちで黙とうをささげていた。そのとき、突然、ロケット花火の爆発音が鳴り響いたという。
ロケット花火は、参加者の頭上15フィート(約4.7メートル)付近で爆発。明らかに、道路を挟んだ向かいのパブから飛んできたものであったという。パブの2階には男が座っていたそうだ。
怒った参加者たちは、男をパブから引きずり出そうとして、現場は一時騒然。パブ内に強硬突入しようとしたが、現場にいた警察官に制止されたという。
パブの男はすぐさま逮捕され、公共施設で花火を発射させ、公序良俗に違反した罪で起訴されたという。翌日行われた裁判で、男は、ロケット花火を発射したことを認めつつ、「花火の発射は、人から頼まれてやったもの。敬意の印でもある。ロケット花火は、空砲を空に向かって撃つ弔砲と同じようなものだから」と釈明したという。
しかし、裁判官は、この男に有罪判決を言い渡し、16週間の禁固刑を命じた。
裁判官は、「正常な感覚を持つ人であれば、花火の発射を、敬意の印と考えたりはしない。式典に参加した人や、戦没者に対する敬意を著しく欠いている」と話し、男を非難した。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「さすがに黙とう中のロケット花火は不謹慎」「愚か者!ものの数分黙ってられないのか」「有罪は妥当。社会奉仕もさせよう。まずは慰霊碑の掃除からお願いします」「ロケット花火を敬意の印と思うとは、常識が無さすぎる」など男を非難する声であふれた。
海外には、黙とうの最中に花火を放ち、逮捕された人物が他にもいる。
海外のニュースサイト「The Times of Israel」が2018年4月18日に報じたところによると、イスラエルの都市ロッドに住む当時37歳の男が、戦没者追悼記念日に、黙とうのサイレンが鳴り響く中、花火を放った疑いで逮捕されたという。
ロッド市の市長は自身のSNS上で、「逮捕された男は、過激派として知られた存在で、ユダヤ人とアラブ人の共存を乱す活動を繰り返している。黙とうの最中に、何者かが花火を発射したと聞いたとき、真っ先にこの男の名前が頭に浮かんだ」と述べている。
しかし男は容疑を否認。事件当日は家族と一緒にいて、花火を発射できる状態ではなかったと主張しているという。なお、2019年11月現在、男にどのような判決が下ったかは分かっていない。
亡くなった方への敬意の表し方は人それぞれで、黙とうを強制することはできない。しかし、黙とうの最中は祈りをささげている人たちに配慮し、静かにするべきであろう。花火を発射するなど、断じて許されるものではない。
記事内の引用について
Squatter, 38, is jailed for 16 weeks after he ruined a Remembrance Sunday two-minute silence by setting off fireworks into a crowd of veterans(『Daily Mail』より)
https://www.dailymail.co.uk/news/article-7672303/Squatter-charged-setting-fireworks-crowd-veterans-Remembrance-Sunday.html
‘Disrespectful’ man admits setting off fireworks during Remembrance service
(『Metro』より)
https://metro.co.uk/2019/11/11/disrespectful-man-admits-setting-off-fireworks-remembrance-service-11079034/
Lod man arrested for shooting fireworks during Memorial Day moment of silence
(『The Times of Israel』)より
https://www.timesofisrael.com/lod-man-arrested-for-shooting-fireworks-during-memorial-day-moment-of-silence/